夕食に久々に赤ワインを飲みました。
ボルドーの赤。
カベルネ・ソーヴィニョンにメルローを混ぜた典型的なメドックのワインです。
杉やカシスの香りとともに、程よいタンニンの渋みが口に広がりお肉の脂身を中和しています。
傾けたグラスを見ると、グラスの縁のワインの色は紫から赤みを帯びていました。
熟成を3~4年はしている様子です。
そこで、ふと昼間の風景を思い出しました。
玄関先の、紫~赤の群生した花々です。
4種類の花がそれぞれ「これから夏に向かうぞ」と言わんばかりに
目に鮮やかな赤~紫色の花を精一杯開かせていました。
花は紫陽花、マツバギク、ラベンダー、デュラン宝塚
紫陽花は、2種類の八重の花。
鮮やかなピンク色に近い赤、
そして、しっかりとした色調の紫色の花です。
マツバギクは、明るい赤の花。
放射状に30以上の花弁を付けた菊の花です。
ラベンダーは、華奢な茎を風にたなびかせながら
可憐に咲く薄紫の花。
そして、デュラン宝塚。花弁の縁を白に彩る紫の5枚花。
ボルドーの赤を飲みながら、想像してみました。
「それぞれの花はワインに例えるとどんなブドウ品種のワインか?」
・紫陽花(赤):ピノ・ノワール
フランス・ブルゴーニュのピノ・ノワールをイメージさせます。
澄んできれいな色合いはコートドールの洗練された趣きを感じさせます。
純粋で可憐な八重の花からは赤い花の香りが漂ってきそうです。
・紫陽花(紫):メルロー
打って変わって、紫の花はボルドー右岸のメルローをイメージさせます。
重層的に重なる紫の花弁からは、ブルーベリーやカシスの香りを彷彿させます。
・マツバギク:ガメイ
明るいピンクの色合いは、ボジョレー・ヌーボーをイメージさせます。
フレッシュで気取りがないボジョレー・ヌーヴォー。
マツバギクもボジョレーも身近にある存在という点は共通しています。
マツバギクは日が落ちる夕方には花弁を閉じてしまいます。
・ラベンダー:ピノノワールで造ったシャンパン
シュッと伸びた茎に薄紫と白の混じった小花は爽やかです。
寒い地域で可憐に咲く様は、寒いシャンパーニュ地方の
ブラン・ド・ノワール(黒ブドウのピノノワールで造ったシャンパン)のイメージです。
・デュラン宝塚:カベルネ・フラン
群生する花々の傍らでひっそりと咲く様子は、控えめです。
まるでブレンドして相手を引き立たせる補助品種のようです。
カベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニョンの補助品種。
淡い紫色はロワール地方のカベルネ・フランのワインをイメージさせます。