玄関わきの小さな花壇をふと見ると秋の彩りが目に飛び込んできました。
一カ月前には鮮やかなオレンジ色に色づいていた“ほおづき”。
今目の前にあるのは“ぼんぼり”のように変身した“ほおづき”です。
小さな実を包み込む丸いかごのような形です。
細い竹ひごで精妙に編んだような姿は華麗です。自然の造形美。
赤い実を包んでいたのは花の周りにあったガク(萼)。
花が終わり実が付くと数枚のガクが実を包み込んで丸くなります。
そしてやがて葉脈だけが残るのだそうです。
そして、ほおづきの周辺には紫色と白の小さな花がそよ風にたなびいています。
「ミヤコワスレ(都忘れ)」です。
群生した花はけっして華やかではなく、洗練された趣はありません。
咲く花は村で育った素直な娘の風情で、着飾っているわけではなく純朴さを感じさせます。
しかし、精一杯に花弁を開き今を一生懸命生きているかのようです。
見る者にとってはどこか慰められる趣があります。
飾らない可憐さに心を落ち着かされる風情。
この花の由来になった順徳天皇の思いもむべなるかな。
遠く都から離れた佐渡島で都を想い出させる優しい花。
この花は短い秋を彩る名脇役です。
ほおずきとミヤコワスレの記事はこちらに本編があります。
ご覧ください。


