部活動の時間と学力の因果関係について、文科省が集計したデータが公開されました。
それによると、部活が1時間以上2時間未満の生徒の平均正答率が国語、数学のA・B問題の全てで最も高いという結果が出たそうです。
国公私立の中学生に月~金曜の1日当たりの運動部・文化部の活動時間を尋ねたところ、
2時間以上3時間未満が43.3%と最も多く、
1時間以上2時間未満が29.0%、
「全くしない」が11.7%、
3時間以上が11.4%。
30分以上1時間未満は3.4%、
30分未満は1.0%。
平均正答率は国語、数学のA・Bいずれでも
1時間以上2時間未満が最も高く、
2時間以上3時間未満、
30分以上1時間未満、
30分未満、
3時間以上、
「全くしない」の順だったとのこと。
わかりやすそうでわかりにくいデータですので私なりに分析すると…
まず、現在の中学校における「部活動強制主義」の状況下においては、「全くしない」生徒の割合は当然上記のように低い値となるので、部活動を行わないから学力も低くなるという捉え方は、このデータから言うことはできない。そこは絶対に中学校の現職の教員たちにははき違えて欲しくない部分。「ほれ見たことか。部活やってない生徒は学力も低いだろう。部活と学力にはちゃんと関係があるんだ」などという発想はあくまで現行の部活動への取り組ませ方を是とした前提でしかない。
これだけ中学校教員の普段の仕事のあり方が「ブラック化」していると騒がれている昨今。部活動についても外部からの指導者の積極起用など、教員の負担減について何かと議論があるが、まずそもそも外部から指導者を呼んでまで現在の部活動の実施日数や時間を確保することが本当に子どもたちのメリットになるのかも同時に考える必要がある。教員にとってキツいことは生徒にだってキツいことのはず。
ちょっと脱線したけれど、このデータは
「部活動をしないと学力が落ちる」
ということの証明には絶対使えないということ。
部活動の時間と学力の因果関係についてひとつだけ言えることがあるとすれば、
明らかに
「1日2時間を超える部活動の実施には学力面において弊害が出ている」ということです。
部活動の実施時間において、前述の通り
2時間以上3時間未満が43.3%
1時間以上2時間未満が29.0%、
と、この範囲で部活動に励んでいる生徒が70%を超えていて、比較データとして非常に信用度が高い中でのこの結果は、いかに部活をやり過ぎることが学力面において悪影響を与えているかがわかるものと言えるでしょう。
全国の中学生の約40%が、本当はもっと学力を上げるチャンスがあるのに自分以外の要因でそれができていないことになります。
教員の負担を増大させ、生徒の学力にも良い影響を与えていない長時間の部活動を何故すぐにでも改善しないのか、本当に中学校の運営方針て誰がどんな風に決めているのか、さっぱりわかりません。
部活をめぐっては、教員の長時間労働の原因になっているとの指摘もある。スポーツ庁は今年度、練習時間や休養日などに関する指針を策定する方針だ。 (時事通信記事より)
とありますが、単なる指針の策定に終わらず、良かれと思って決めたことであればある程度の拘束力を持って実行させなければ全く無意味なので、そこまで含めた指針を打ち出していただけるよう文科省・スポーツ庁にはしっかりとした議論をお願いしたいところ。
せっかくの良案も結局各自治体の教育委員会や各学校長の判断に最終決定をゆだねるようでは絵に描いた餅にしかならない。
最後に文科省ホームページから、
「部活動のありかた」における今後の課題について触れられた文章をご紹介します。
運動部活動は、自発的・自主的活動として、児童生徒のバランスの取れた生活や成長に支障を来すことのないよう展開されるべきである。
このため、
2) 学校週5日制の趣旨も踏まえて休養日を適切に設定するとともに、練習時間を適切なものとするように留意すること、
3) 外部の指導者や諸機関を利用するなどにより、必要に応じてスポーツ医・科学に関する情報を活用すること、
などが重要な課題である。
もう、読んでるだけで悲しくなってくるような、全くの理想論でしかない文章です。そもそも、国の教育機関の最高峰とも言える文科省が、重要な案件について「重要な課題である」って文章で締めくくっちゃっていいの?そこを早急にどうにかして初めて仕事したと言えるのでは?って思いませんか?^^;
しつこいようですが、ガイドラインづくりもいいですけど、いかに実行に移させるか、そこをとにかく徹底して議論して欲しいものです。