NAADA「浅草バンバンバン vol.45」@浅草KURAWOOD | What's Entertainment ?

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今日は、浅草KURAWOODNAADAが出演する「浅草バンバンバン vol.45」を観に行った。僕がNAADAのライブを観るのはこれが15回目、前回は9月16日新宿SACT!であった。

35mmの夢、12inchの楽園


35mmの夢、12inchの楽園


前回のライブは、待望のツーマン・ライブで演奏時間も60分であった。入念なリハーサルと初の試みとなる編成、NAADAの二人にとっては満を持してのライブだった。メンバーも積極的に集客に努め、40人を超える満員の観客を前に素晴らしい演奏を披露した。まさに、NAADAの歴史に新たな一頁が開かれたライブであった。
そのモニュメンタルなライブから12日。本来の二人編成に戻って、NAADAはどんな演奏を聴かせてくれるのか。そんなことを考えながら、僕はライブハウスに足を運んだ。

NAADA:RECO(vo) & MATSUBO(g)

35mmの夢、12inchの楽園 35mmの夢、12inchの楽園


それでは、この日の感想を書きたい。

1.Good morning
前回の華やかなライブとは打って変わって、この日のオーディエンスはかなり寂しいものだった。。
シンプルなマツボのギターに乗せて、RECOが透明な声で歌い始める。音のバランスも安定しているし、RECOも一言一言を慈しむかのように歌った。
とても綺麗なライブの始まりである。


35mmの夢、12inchの楽園


2.spilt milk
とてもシニカルな歌詞を、呟くように歌うRECO。静かに歌われるからこそ、この曲が持つ本質的な部分が剥き出しになる。


35mmの夢、12inchの楽園


3.fly
ライブのハイライトをなす曲。マツボの安定したストロークに乗せて、RECOが疾走するかの如く歌う。RECOの声は力強く、歌の内容がダイレクトに聴く者の胸に迫る。
この曲のさらなる進化が楽しみである。


35mmの夢、12inchの楽園


4.I love you
NAADAには珍しく、タイトルも歌詞もメロディも実にストレートでシンプルな曲。歌にも外連味がない。この曲は、洗練されたNAADA流スウィート・ソウル・バラードにも聴こえる。出来れば、フェンダー・ローズのエレピを加えたアレンジで聴いてみたい。


35mmの夢、12inchの楽園


5.Humming
この曲でも、マツボのストロークが実に安定している。楽しげにハッピーに歌うRECOが、とても快活で魅力的に映る。元来彼女は素敵な女性だけれど、やはりステージ上で歌う姿は格別である。


35mmの夢、12inchの楽園


6.RAINBOW
さらっとしたMCから、RECOはとてもナチュラルに歌い出す。最近のライブのエンディングには、この曲が歌われることが多い。良質のネオ・アコースティック曲である。
体でリズムを取りながら、弾けるような笑顔で歌うRECO。とても力強い歌声が、ライブハウス全体を包んだ。


35mmの夢、12inchの楽園


先日のツーマン・ライブが成功裏に終わり、この日のライブは謂わば祭りの後のような状況での演奏である。場所も蔵前と、地味に遠いロケーションだ。でも、やはりお客が少なくて寂しい。
僕は、先日のフルバンド演奏を聴いて、次は絶対にNAADA二人による純度の高い演奏を聴きたいと思っていた。一つの音楽的達成をみた後、RECOとマツボがどんな演奏を聴かせるのかに、とても興味があった。
彼らの次なる一歩を見るには、地味ではあってもこのライブを聴かなければ話にならないからだ。

豪華なフルバンドでの演奏もいいが、やはりNAADAの音楽性が露わになる二人だけでの演奏をこそ、リスナーにはきっちり聴いてほしいと僕は思う。
この日の演奏では、一見して二人がリラックスして自分たちの音と向き合っていることが見て取れた。そして、恐らくステージからの音の出について、リハーサル時から相当こだわっていたであろうことも。
シンプルな音、声量豊かで力強い歌、美しいハーモニー、純度の高い演奏。今の二人には、音楽的な迷いがないことを如実に物語っていると思う。

今のNAADAは、もはや編成やアレンジといったレベルを超えて、自分たちの音楽をしっかりオーディエンスに届けることが出来ている。スタイルがどうであれ、彼らの奏でる音楽には揺らぎのようなものが皆無である。
いよいよ二人はここまでやって来たのだな、と僕は感慨を新たにした。

次回、NAADAのライブは11月15日新宿SACT!が決まっている。次にこの優れたユニットが、一体どんな演奏を聴かせてくれるのか。今から待ち遠しい。


ツーマン・ライブに足を運んだ人たちは、今こそ彼らの音楽と対峙すべきなのである。