週末、思うままにカメラを持って出かけることがある。
紹介できるような写真はそう多くないが、何を考えて撮っていたか思い出しながら、綴りたいと思う。

大分県別府市の西に位置する鶴見岳。

春は山麓に桜が咲き乱れ、夏は山上からの夜景、秋はもちろん紅葉、冬はと言えば、九州では珍しい霧氷が見られる。

この時は、特に寒い日を狙って鶴見岳へ向かった。

 

鶴見岳の麓へは車のほか、別府~湯布院を結ぶバスなどでもアクセスできる。

ただ、雪に弱い九州なので、積雪などあると道路が通行止めになったりする。

麓の別府高原駅からは別府ロープウェイで山頂付近まで登ることができる。

 

モード:Avモード

シャッタースピード:1/1250秒

絞り値:F4

ISO感度:100

露出補正:0

 

山上は氷点下10℃。

当然、足もとは雪なので、あらかじめ持ってきていた長靴に履き替えている。

ロープウェイの鶴見山上駅から歩いて10分くらいだろうか、鶴見岳の頂上のテレビ塔が見えてくる。

この辺りまで上がってくると、木にもしっかり霧氷が付いている。

そもそも霧氷とは、水蒸気や霧が氷点下に冷やされて木や枝などに凍り付いたもので、暖かいところでは見られない。

テレビ塔を入れながら撮ろうと思うと、テレビ塔はボカしたい。

従って、Avモードで目一杯開いて撮った。

 

モード:AVモード

シャッタースピード:1/640秒

絞り値:F4

ISO感度:100

露出補正:0

 

頂上へ至るルートとおとなりの由布岳が望めるルートの分かれ目に、お社がある。

鶴見岳へは何度も来ているが、このお社はいつも写真に収めている。

今度は手前をボカしたいので、絞りはやはり開放にしている。

 

モード:Avモード

シャッタースピード:1/1600秒

絞り値:F8

ISO感度:100

露出補正:-1

 

鶴見山上駅に着いた時は、晴れ間がのぞいていたが、急に風が強くなり、辺りには霧が立ち込めてきた。

由布岳をバックに撮りたいと思って来たのに、由布岳どころか、10m先も見えない。

山の天気は変わりやすいというので、しばらく待ってみるかと思うが、とにかく寒い。

 

霧の向こうにうっすらと太陽が見えた。

その方向にカメラを向けてみるが、少し明るすぎて、太陽の輪郭がつぶれてしまう。

そこで、露出補正をして、若干暗くする。

しかし、撮ってはみたものの色がついていない。

こんなモノクロの世界が本当にあるのだと思う。

 

モード:Avモード

シャッタースピード:1/400秒

絞り値:F8

ISO感度:100

露出補正:0

 

霧が凄い速さで頭の上を抜けてゆく。

やがて、少しだけ青空が顔をのぞかせた。

やっぱり、青空はいいなぁ!

白い木々たちと同じように白くなったテレビ塔。

 

モード:Avモード

シャッタースピード:1/500秒

絞り値:F8

ISO感度:100

露出補正:0

 

霧氷なのか着雪なのかよくわからないが、風のせいで偏って着いた氷。

自然が作ってくれる美しさである。

 

風景を撮るためには絞り値はF8~F11くらいがいいとされる。

個人的にはもう少し開放の方が好きだが、ここではF8にしている。