少し写真が分かってきた頃、いつか一眼を手にしたいと思ってくれた人向けに、自分なりの解釈で入門書(HELLO! DIGI-ICHI!)を書いたことがあった。
それには載せていなかったが、カメラのモードの使い分けについても記そうと思う。
今回は、M(マニュアル)モード

例えば、Canon製のカメラの場合、本体上部にダイヤルがあって、「A」とか「P」とか書かれたダイヤルがある。
この中に「M」モードというものがある。
全ての設定を自分で行う場合はダイヤルをここに合わせる。

 


 

Mモードではシャッタースピード、絞り、ISO感度が自身の好みで選べる。
写真はいかに適切な量の光を取り入れるかが重要な要素の一つと思っているが、その3要素を任意に設定できるということは撮影の幅も広がるということである。

私がMモードを使うきっかけになったが、星空の撮影。
一眼を持つと、星空の撮影に憧れるものである。
しかし、星空撮影は漆黒の闇に点々と瞬く小さな光を捕らえるという少し難易度が高いものである。
シャッタースピードと絞りとISO感度をうまく調整して、入ってくる光を制御してやらないと、綺麗な星空は撮れない。

星はかすかながら動いているので、ブレが出ないようにするためのシャッタースピードは15秒くらいが限界である。
そうなると、取り込める光を多くしなければならないので、絞りはいっぱいに開放する。
その2つの制限の中で、ISO感度をうまく調整すると、初めて綺麗な星空が撮れる。

ちなみに、ホワイトバランスは青め(蛍光灯など)にしておくのが私の好みである。



(自分的に)ちょうどいい明るさの星空
 

今度はシャッタースピードを思いっきり落としてみる。
数十分開けっ放しにしておくと、星が軌跡を描く。
そもそも、最近はタイムラプスという複数の写真を繋ぎ合わせてこのような写真にする方法もあるらしいが、ここでは昔ながらの手法で説明する。

この方法の問題点は、待つ辛さである。
明るさはちょうどいいかな?ブレてないかな?雲がかかってきてるけど大丈夫かな?など、いろいろ気になってしまう。
しかし、「はじめちょろちょろ、中ぱっぱ」ではないが、たとえ赤子が泣いても、カメラを触ってはいけない。



30分耐えました
 

するとこんな感じで出来上がる。
撮る方角で描く軌跡も変わる。
北極星の方向を向かって撮ると、北極星を中心に星たちが円弧を描く。

ここまで出来ると、今度は天の川を撮りたくなる。
天の川はもっと苦労する。
そもそも広い天体のどっちに天の川があるのかわからない。
少なくとも私の悪い目では見えない。
これは我流の探し方だが、まず、天体アプリなどで大体のアタリをつける。
あとはそっちに向かって、とりあえず撮ってみる。
少し明るめの設定で撮るのがコツで、そこで見えれば、方角は分かる。



まずは、こんな感じ
 

あとは、緻密な設定値合わせである。
明るすぎず、暗すぎず。
何度も取り直して、いいところを見つける。
それでも、なかなかベストは見つからない。

 

肉眼では見えない星たちと天の川


カメラってすごいと思うのは、天の川もそうだが、肉眼では見えない小さな小さな星まで写るということ。

真っ暗闇と思える夜空にも、こんなに星があるのだと…。

 

あれ?Mモードがテーマだったはずなのに、いつの間にか星空撮影の話になってしまった…。