おはようございます
退院も近くなったころ、父が見舞いにきました
私が、すっかり元気になっていて、父も安心していました
その時、二人とも知っている知人が私と同じ時期に乳がんになり、同時期に手術を受けていることを父から聞きました
父”早期で見つかってなあ・・・ 良かったよ・・”
私は全く知らなかったし、驚いてしまって
もふもふ
”早期で・・・それは良かった”
思わず、つぶやきました
そう言ったあと、はっとしました
この言葉は、自分が言われて嫌だった言葉でした
本人がいないとはいえ、言われて嫌だったことを、口にした自分自身に戸惑いました
私は乳がんが発覚してから、だいぶ被害妄想的になっていました
私のことを心配してくれたり、思いやって言ってくれてることでも、相手の意図した内容では受け止められていませんでした
相手の方は常識的な内容でしゃべっているのに、あらゆる部分が自動カットされ
”良かった”
という言葉だけが、自分に矢のように刺さるのです
心の中で
”よくなんかない!! ガンになったんや よくなんかない!!”
と、反発していました
はっきり言って、言われたくないワードでした
他にも、看護師さんから一日に何度も胸の状態をチェックされ、
(傷が)”きれいですよ~~”
と、何度も言っていただきましたが、
”どっからどーみてきれいなん??”
と、言葉通りには受け止められませんでした
例えるなら・・<わかりにくいんですけど>相手と自分とのあいだに、レンズがはさまっているような感覚でした
凸レンズっていうんでしょうか?
屈折して、相手が意図する内容で、まっすぐ自分に入ってこないのです
そんな状況では、人との間に距離ができやすく、つらいと感じることもありました
病を打ち明けられる、(会話上)逆の立場になる経験はこの日が初めてでしたが、こういう両方の立場に立ってみて、凸レンズの厚みは、少しずつ薄くなっていったように思います
入院中のエトセトラ
ビックリしたこと
入院中一番ビックリしたのは、手術の翌朝、ベッド上でレントゲンを撮ったことです
天井まであるような、とても大きな機械が病室の中に入ってきました
病室と、機械の比率が明らかにおかしいトランスフォーマーのようでした
手術翌日で、まだ体が思うように動かず、背中に固くて冷たい鉄板のようなものをおき、体勢を維持するのがつらく、2,3秒が長く感じた・・・
入院中に読んだ本
入院中に読んだ本で私のNO,1が
”一瞬の風になれ” という本です
陸上に青春を捧げた10代のキラキラストーリー
これは、よかった・・・
入院中暇だろうと思い、図書館で10冊ほど借りて持ち込みました
でも、あまり読めませんでした
読みやすい本でないと、読めませんでした
本を読むにも、体力が必要なんだと、実感しました
準備して無駄だったかなと思ったもの
パジャマです
私は普段からパジャマを着ないタイプで、入院の為だけに購入しました
入院中は、一日に何度も血圧測定がありますが、測定のたびに、マジックテープがパジャマにビリっとつき、はがされてを繰り返されました
見た目を気にして、奮発して買ったパジャマでしたが、瞬く間に毛玉だらけになりました
病院から借りれば、一日70円 洗濯もしてもらえて、汚れも気にならないし・・
もったいなかったかな?と思います
入院にもっていけばよかったと思うもの
やはり、何といっても病院食は味が薄かった
ふりかけ必須と、思いました
韓国のりなんか、すぐなくなりました
入院中感動したこと
待合室で週刊誌を読んでいたときのこと
イギリス王室の結婚式の記事がカラーでのっていました
王女は12さいの時に、背中に大きく傷の残る手術をされていて、今回その傷がはっきり見えるドレスを着ておられました
”私の世話をしてくれた人たちへの敬意を示すため”とのこと
感動しました
30センチ以上あるように見えるし、写真にもはっきりと写っている
隠すことじゃないんだ
感謝することなんだ
命をもらったんだ
気持ちが楽になりました
術後7日目に退院
主人が半日休みを取ってくれました
入院費は個室代がたたって、135,000円でした