「闇の中に」  | フラメンコギタリスト樫原秀彦のブログ 

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「闇の中に」  7分9秒に込めた思い

東日本大震災からもうすぐ一年が経とうとする3月1日、
鎮魂という厳粛な思いを持ってこの曲のレコーディングに臨みました。
あの凄惨な津波で無念にも命を奪われてしまった方々
ひとりひとりの魂に届いて欲しいとただ願いながら、
ひとつひとつの音を丁寧に心を込めて弾きました。

この「闇の中に」は、3.11以前に自分の人生の様々な経験から生まれた
絶望と悲しみに向き合いながら作ったパーソナルな曲で、
ライブでも繰り返し演奏してきました。
僕のライブに来てくれた友達に、「なんか暗い曲ばかりで疲れちゃったな、
もっと楽しい曲もやってよ」 と言われた事があります(笑)
なぜ僕は絶望と悲しみに根ざした曲を多く作るのか、
なぜライブで繰り返し演奏するのか。そしてなぜ、世界中にそんな曲が
過去も現在も絶えることなく生まれ存在するのでしょうか・・・

おそらくそんな曲は、絶望のただ中に居る人の
魂に深く入り込み、救いになりえるだけではなく、
自分ではない誰かの、悲しみの大きさを理解する為、
闇の中に寄り添うことができるようになる為の助けとなってくれる。

きっとそれが、3.11以後の世界にそんな曲が存在する意味であり、
大切な役割のひとつなのではないか・・・
と僕は願い信じているのです。