規律と自由度の最適なバランスについて考えたことがありますか?
仕事にルールやマニュアルがないと、人それぞれにやり方が異なってしまい、成果物の品質がばらついてしまいます。
ルールがなければカオスになる というヤツです。
一方で、ルールでガチガチに縛ると、自然発生的な改善や進歩が見られなくなってしまいます。
組織が硬直化して極端に保守的になると、組織の成長が鈍化/停滞する というヤツです。
ほとんどの組織は、極端なガチガチとカオスの中間に位置していると思いますが、コンピューターシミュレーション(セル・オートマン)によると、「カオスの縁」になるような自由度と規律のバランスを満たした時、複雑系が創造しうるとされています。
この「カオスの縁」にとどまり続けることこそ、進化を続けている生物の戦略であり、これを達成するための方法について書かれた「生命のからくり」という本に面白い解説が載っていたので発信します。
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通常、進化といえば、遺伝子つまりDNAの漸進的な変化を指します。
DNAは生命活動の設計図と言われたりしますから、細胞分裂するときに正確にコピーされないと、生命活動に異常をきたします。なので、基本的には変化なんかしないようにできているものと思われがちです。
ところが、どうやらDNAはする予定がないのに起こってしまう「偶発的な」変化だけでなく、あえて変化させる仕組みを組み込んでいる「予定調和的な」変化があるようなのです。
まずは単細胞生物の細胞分裂を想像してください。
細胞分裂して細胞が二つになるということは、DNAもコピーされなければいけないですよね。
コピー機もないのにどうやって作るんだよ!ってなるのですが、これはDNAの形自体が解決してくれます。
DNAは2本の相補的な鎖状の物質 と言われています。
「相補的」というのは、ねじのオスメス関係のようなものであり、片方が決まればもう片方も決まっちゃう関係のことです。
なので、2本の鎖をほどいて、それぞれの鎖の相方を作り直すと、二組の同一な2本鎖ができちゃう(コピーできちゃう)というわけです。
実はこの相方を作り直す作業では、オスの鎖とメスの鎖で精度が違うようなんです。
つまり、2つの細胞に分裂したとき、片方はほぼ間違いなくコピーされるのに、もう片方は一定の確率で小さなエラーを含んでいるわけです。
ちなみに、この過程で生じるエラーは、致命的なエラーになることはほとんどありません。
なので、エラーを持ったDNAがさらに複製を重ねることで、変異が蓄積していくのです。
職場で例えると、新入社員が入ってくるケースを思い浮かべると面白いかもしれません。
新入社員の仕事は、間違いがないようにマニュアル化されていることが多いですよね。
でも、マニュアルで正攻法を習得する一方で、先輩から裏技や独自法を習うことがあるわけです。
マニュアルはそうそう更新されませんが、裏技や独自法は継承されるたびに少しずつ変わっていくわけです。
こうして、業務の進め方に変異が蓄積していきます。


