腰痛肩首こり膝痛頭痛目まい高血圧…(長いことかかっている患者さん②)/越谷の整体陽だまり | 越谷の整体院【 陽 だ ま り 通 信 】

越谷の整体院【 陽 だ ま り 通 信 】

副題:【整体師のぼやき】

ものぐさな私が、ブログを始めてしまいました。
主として当院患者さんのためにですが、迷い込んでしまった方も歓迎です。
お暇な時の、ちょっとした楽しみになれたら幸いです。

【やっとここに来て②】

前回記事の方をご紹介くださったのが、今回取り上げるクライアント。

今や当院最古参となりました。

主訴は肩こり。及び腰痛ですが、ほぼ全身に近い形。

一応、上のほうから言いますと、

頭痛、首と両肩の凝り、両肩の痛み、右側背中痛、右側腰痛、両臀部痛、両膝の痛み、右手指の痛み、両足(かかと、足の甲)の痛み。両ふくらはぎの攣(つ)り。

内科的には めまい、高血圧、肝機能障害、甲状腺機能障害…

ちょ、ちょっと…(汗)

ほぼパーフェクトに全身レベルの痛み。各種内科的疾患。

どうすんべ?



4年前に来院したこのクライアントは、やはり70代の女性ですが、腰痛を覚えだしたのが30歳の頃からだと言いますからキャリアは40年でした。同時期に肩こりが生じているのでこちらも同じようなキャリアです。

関節の機能障害、つまり俗に言う骨のズレは全身レベルで生じており数えるのも嫌なくらい。肩は僧帽筋と背・腰筋群と頚筋群は、とにかくガチガチ。特に後頭下筋群は凝固状態で、ここが人並な感触になるまでに緩まるまでには複数年かかりました。肩甲骨も胸郭に張り付いた状態で、実はこれは今でも完全には緩んでくれてません。

指圧様の筋膜リリースをかけると「痛い、痛い」を連発します。膝なども技法をかけるのに腿を押すとそれだけで痛がり、当初技法をかけるのが不可である部分もありました。


当院へ来院されるまで、ずいぶんな数のマッサージに行った様子です。でありますが、「まったく効いたことがない」。矯正系整体やカイロには(怖くて)行ったことがないようですが、多分周囲の筋肉がガチガチなため、行ってもなまじっかなところでは入らなかったろうと思います。

一度だけとある病院内で開設していたオステオパシーをちょっと受け、そのとき加療した膝の痛みが軽減したことがあり、もう一度受けたいと思っていたところ、運悪くその先生は撤退してしまっていたと言うことです。

この方は一見、本当にお元気。声も大きくよくしゃべる。

ですが、中身はボロボロな感じでして、内科的な肝機能障害と甲状腺異常(バセドウ病に起因し、薬の調合を間違えられ器質的変性を起こしてしまい、恒久的な機能低下を抱えてしまった)に関しては「うちでは対象外」と告げまして、そのかわり高血圧とめまいの2つは加療しまして、今ではその問題は解決しています。因みに血圧はしばしば180を超え、時によっては230。危険レベルでしたので慎重に加療しました。一応現在は130台に落ち着いている。

目まいと頭痛は比較的早期に出なくなったはずです。それでも半年くらいかかったと記憶している。

治療は上に書いたような具合で、結構難儀しました。当初、最低でも週1回は来てくれるようお願いしたのですが、よくて10日に一度しか来てくれませんでした(苦笑)。本当は最初は週2,3回から始めたいくらいだったのに…(´・ω・`)

せめて、と思いまして、家でできるストレッチを本からコピーして渡したのに、それもしてくれません。で、膝の痛みはあったものの歩行は可能だったため歩いていただくことを提案するも、最初の頃2~3カ月ほどやったくらいですぐに挫折(´・ω・`)

膝が思わしくなかったためテーピングをご自分でやってくれるよう貼り方を説明するも、「かゆいから」とダメ出しをされてしまいました…(´・ω・`)

施術をしても、その日と翌日くらいは良いのですが、3日目には痛みが発生。来院すると痛い痛いを連発するのですよ(´・ω・`)

治療間隔は言うことを聞いてくれない、せめてもの自分での手入れもしてくれない。そのくせ、治んない、治んないとボヤかれるのでして、

「これでは治る目途が立たない」とさえ言いましたし、正直に言うと、何度か治療をお断りしようかと思ったくらい。1年経っても、2年経っても、部分的な数カ所を除いて それほど良くなった様子が見られないのでした。

こういいますと、ホントにしょうもない感じの方ですが(笑)、実際のこのクライアントはなかなか人としての魅力があるのですね。酸いも甘いもな感じで経験があり、地頭の良さも感じさせます。ですから、テキもさるもの、ってやつですよ。

治らないですよ、と言う私に、やがて「もうこの年になったら治るとは思っていない。現状維持で寝たきりにならず動ければいいと思っている。ずーっと通うからね」と、なかなかニクイことをおっしゃるようになりました(;^ω^)

困るんだけどな。でも、ちょっと嬉しい気もするのはなぜ?

と、ばかりも言っていられないので、半ばあきらめムードではありましたが、来院すればきちんとやっていました。大変だったけど(笑)

それでも全体としては、それなりに改善傾向を示してるように思っていまして、

歩いてくれ、動いてくれ、お風呂に入りながら少しマッサージくらいしてくださいよ、と口うるさく言ってました(汗)が、そうしなくても(やってくれなかったので)本当に薄皮をはがすように徐々に楽にはなっているのかな、と感じていました。

ただ、途中、左膝だけは思わしくない。これに関しては一度ギブアップしました。私では治せそうもない、とゴメンナサイしました。

そうしたところ娘さんが、東京都内にある、とある有名整体の予約を入れたということで、そこへ行ってきたと報告をしてきたものです。

「院長先生は12年待たないと予約でいっぱいで診られないんだって。でも、一番弟子さんなら2カ月で順番がやってくるからそっちでどうかと言われた。それでこないだ行ってきたんだけど、私のは腰椎4番って言うの?そこの神経痛が膝の痛みになっているんだって」。

腰椎4番の神経痛は、私もすでに疑っていて、散々診ましたが、その結果、神経の影響ではないと見立てていたのですが…。言わなかったけど。

「3カ月(で治ると言われたので)、浮気をしてきます」。

きちんと筋を通して、そちらの都内有名整体に行かれました。もしそれで治ってくれば、それがこのクライアントのためですし、私も自分の至らなさを改めて見直して励むだけです。気持ちよく送りましたものの、

やはり気になるので、その有名整体のことは調べました(笑)性格悪いんで(笑)

ネットと、本を出しているのでその本を見て、出演していたテレビで言っていることを聞いて、

結果。これはダメだろうな、と感想を持つ。性格悪いんで(笑)

5カ月後。どうして5カ月か?サボったみたいです(笑)

で、5カ月後。「騙されました。全く変わりません」と言いながら戻ってきました。ふうん、膝痛の98パーセントは治せるって本で豪語していたのにね。因みにそこの一回当たりの料金は、うちの4倍近いです。それも膝のみ、それしか診ません。それでもきちっと週に1回のペースで3カ月通ったのに、

どうしてウチには10日に一遍しか来ないのかな?

ではなくて(笑)、そこ、詐欺で訴えちゃったらどうですか?などと軽口をたたきながら再開です。

そのころ、彼女は思い悩んで、これも都内の膝痛に強い大きな病院へ行ってきました。変形性膝関節症。思った通りの診断です。軟骨、ゴリゴリ言いますものね。でも手術するところまでは悪くないということで鉄芯入りのコルセットを装着していろと言われ、そうしていたところ「なかなかいい」とのこと。

変形性膝関節症は、私の今のところの見解では…見解ってほどでもありませんが、思う所では、

本当に骨同士がぶつかってしまわない限り日常生活を送れるところまでは回復できると思います。しかし、このクライアントもそうであるように、長時間歩いていたりすると、痛み始めます。彼女の膝の一番の問題は、「旅行に行くと歩く距離が長くなるため、旅行が楽しめない」です。軟骨が痛んでいるので、歩行の一歩一歩はやはり刺激になると思うのです。短い距離なら問題ありませんが、長距離を歩くとその刺激が、ひとつには炎症を生じることになると思えますし、あるいは膝の不安定をカバーするために周囲の筋緊張を呼び起こしてしまうと考えられます。

ところで、膝の痛みや股関節痛もそうですが、アライメント論といった考え方を取る整体やカイロの先生も多いです。骨盤、股関節、膝、足首のバランスの崩れが膝(あるいは股関節)のアライメントを崩し、そのアライメントの崩れが痛みの元だという説です。

しかし、その説に一定の説得力はあるものの、それが全てと言われると、私は懐疑的です。過去に記述しましたが、私の膝も軟骨はかなり悪いです。ある時クッションの利かない革靴でアスファルト道を歩いていたところ膝が痛んで仕方ない。そこで、それは河原だったのですが、草の生い茂った河原の土のほうを歩いてみたところ、一歩踏み込んでみた瞬間から痛まなくなりました。草の生い茂った土の上など、路面(?)状況を考えるとアスファルトと違ってかなり凸凹しています。アライメントが万能ならば、凸凹した不安定な路面であれば、途端にアライメントはかなり崩れてしまいます。ところがアライメントが崩れ、とても痛くなるどころか、一歩踏み込んだ時点で痛みは感じなくなるのです。

体重のかかることで生じる刺激痛だ、と考えざるを得ません。凸凹の土と草のクッションが、アライメント論を陵駕した瞬間です。

アライメント論を唱える方たちは、例えばこんな環境を考えますか?

日本の道路は大半がアスファルト舗装。雨水の冠水を避けるため、構造的に道路の中心部が高くなっていて、排水路が道端にある構造を取っていますから道の端が低くなっています。
右側を歩けば右足がわずかに低い位置を歩くことになり、それだけでわずかなアライメントの崩れを生じます。アライメントが万能ならば、長期的に見ればそれだけで痛みが生じるはずです。左側を歩けばその反対ですが、ま、一応道交法違反かな?(笑)なので、永遠に右足の下がる位置を取り続ける(右外側のベクトルに働く、結果として内側半月盤に捩れて圧縮のかかる)アライメント崩れの膝痛に悩み続けることになる(笑)

んな、ばかな。

アライメントの崩れ、軟骨の擦り減りから生じる関節の不安定をカバーするための筋緊張、体重による刺激から生じる(しばしば炎症の)痛み。これらを考えて、それをカバーして痛みを無くそうと考えるなら、結果は一つではないのかな?

筋肉を柔軟に保つことと、筋力の増強です。

軟骨は確かに、クッションを利かせるために存在しますが、それと同時に筋肉もクッションを利かせてくれます。体の構造は筋肉のみでは負担を賄いきれず、同時に軟骨のみでも賄いきれません。
出来得る限り両方が機能的に働くことが理想なはずです。
これは骨盤仙腸関節論にも通じまして、下肢からの上方向へ、あるいは上体の下方向への負担を軽減するのは仙腸関節にすべて依存しているのではなく、関節をまたぐ実に諸々の筋肉群の働きにより、実はかなり賄われているはずです。

あれ?何の話をしてるんだろ?(?_?)

とにかく、膝の痛みもそうですが、それ以外の痛みの場合でも、痛みが軽減して動けるようになったら、ちょっと体を動かそうよ。



件(くだん)のクライアントですが、半年(よりもう少し)前くらいに、少し変わったことを言っていました。その時、1カ月ほど間が空いたのですが、その間、「ほとんど痛みなく過ごしていた。あれ、なんだろ?」。

「?」と思いまして、そのひと月ほど前に、なにか変わったことをしていたかな?とカルテを見てみたところ、それまではあまりやらなかった足関節を加療している。

これも万能論はカンベンですが、実は足関節への加療で、痛みが見る見る良くなったという話しを幾度か聞いたことがありました。

それ以降、足関節への加療は必ず入れ、また、膝もそれまで盲点だった個所に(膝蓋骨、膝のお皿の、とあるトコロです)手を加えるようにしました。

そうして、最近になり、

膝も、それ以外の体全体が、まだ痛みはあるものの、以前と比べると全然楽になっている、と言うようになっています。

彼女は、未だあまり乗り気ではなく、また、未だ治るとは思っていないと言ってますが、

私はちょっと腹黒く(笑)、乗り気ではない運動を、どうやってさせようかとここ最近は画策しているトコロ(笑)。

完全には治らないかもしれませんが、痛みが気にならないくらいの状態には持っていきたく、

今日も黒い知恵を巡らせている。


ひひ。





          しっぽフリフリ