昨日から「訪問医療」が始まりました。
母が希望していた、かかりつけ医の弟さんの医師です。
母は「ベッドで寝ていたほうがいいかしら?」と早々と横になってスタンバイしていました。
朝9時半に看護師さんと共にやって来ました。
母は「いらっしゃいませ」とベッドから出てきて椅子に座って診察を受けていました。
いまのところ体調に問題はなく、血圧も酸素濃度も普通です。
緊急事態でなければ2週間に一度の診療となります。
昨日、母が異常に寝ていた時に「先生に連絡したほうがいいのかな?」と迷いました。
「どんなことでも変わったことがあれば連絡してくださって大丈夫ですよ」と、おっしゃってくださり安心しました。
足の浮腫みがひどく、お腹が圧迫されているせいかも・・とのことでした。
家にいて座ってばかりなので、足首のストレッチをするように言われていました。
「できればリハビリに来ますか?」と言われたのですが母は「そうね・・そのうち」と答えていました。
そのうち・・・ってそんな時間があるのか??と心でつっこみました。
それでも「座っている時も暇なんだから足、動かしてみなよ。歩く時も意識して歩くんだよ」と私が言うと、歩くたびに「あるこ~!あるこ~!!」と歌いながら、いっちに~いっちに~と歩いています。
お薬もこれからは訪問診療の先生が処方してくださいます。
新しい薬は出てないので、これまで飲んでいた薬のみです。
看護師さんから「調剤薬局に送っておきますので、好きな時に取りに行ってください」と言われました。
夕方になり、かかりつけ医の隣にある調剤薬局に取りに行きました。
母と仲良くしている薬剤師さんがいて「お母さんどうしたの?訪問診療からお薬出ているけど・・・」
これまで母の薬をすべて扱ってくれている薬剤師さんです。
すべてをお話ししました。
「え~?そうなんだ。お母さん、元気な印象しかないから。そんなことになっていたんだ。」
「お母さんに伝えて」
「病気と仲良くしてね。仲良くしていると長い付き合いになるから。」
なんて素敵な言葉でしょう。
病気と長く付き合う・・・・いまの私たちには最高の言葉です。
病気と闘うつもりもないし、治らないし治すつもりもないのですから”長く付き合いたい”です。
「すぐそこですから、お時間のある時に顔を見に来てください」そう言うと
「うん、そうね。行くね。でも、お母さんに自分で薬取りに来るように言って。私が顔見たいからって言ってるって伝えて」
「はい、次回は車いすでも自分で取りに行くように言います」
「うん、待ってる
薬剤師さんとそんな会話をしました。
母も私も人に恵まれています。
こんなに温かい人たちに囲まれて人生を終えることができるとしたら・・・
私は「自分がどんな人生を送ったのか」は晩年の人間関係でわかると思っています。
母が「人生に悔いなし」と言い切るのがよくわかります。
昨日は「お風呂入らない」と言いました。
「じゃあ、ハーブで足湯にしようか?」と言うと「うん、それで顔拭くわ」
洗面器にお茶パックに詰めたハーブを入れて熱湯を注いで、タオルを浸して渡すと顔を拭いていました。
「あ~、気持ちいい~。いい匂い~。」
少し水を足して足湯にして片足づつ浸けて温めました。
「気持ちいい~。これポカポカするんだよね。あったかく眠れるね。」
「こんなことをしてもらえる時が来るんなんてね」と母がポツリと言いました。
「私もだよ。犬たちのおかげだね。」
ミントの介護があって、デイジーが来てデイジーの健康のために学んだ「愛犬のハーブ」
いま、こうして母のために使っています。
ヒーリングも毎朝やっています。
こんなに幸せな大切な時間を過ごせるなんて・・・
幸せです。
病院ではできないこと、もてない時間・・・
病院にはいられない状況だから今があります。
それでも「命」より大切なものがあるのだと思います。
それは「心」じゃないかな?
治療より大切なものがあるのです。
父の時に思い知らされました。
「なんのために生かされているのか」
患者も家族も「心」を置いてけぼりにされて「採血、採血」
もうどこからも採血できないのに「まだ足の指があります」
足なんて浮腫みでパンパンなのに。
命より大切なものはあります。
その「命」を刻むのではなく、温かい「心」で包み込む。
そんな波動が心地良いのです。
父がつけていた日記のような通院記録を残した手帳があります。
2018年7月30日で終わっています。
私は昨日から続きを書いています。
訪問診療が始まったから。
これからスタートです。
訪問診療の先生は犬が好きなようです。
お話をしながらずっとデイジーを撫でていました。
「良い毛並みだねぇ~」と褒めて頂きました。
陽だまりのしっぽ 美香