11月3日に東京で「フレンチ草書を深める会」というテーマでレッスンをさせていただきました。

 

そもそも「フレンチ草書」って何ですか?

という疑問にお答えするのが今日の記事です^^。

 


【フレンチ草書】

シンプルに言ってしまえば

もともとそんな名前の書体は

「ない」というのが答えです(^^ゞ

 

名前を検索しても出てこないのは、私が勝手に作った造語だからで

画像などで出てくるもの、インスタなどでタグ付けされているものは

2019年の4月と11月に私のフレンチ草書のレッスンを受講した

生徒さんが書いてくださったもので間違いないと思います。

 

そもそものスタートは一冊の公文書に書かれた

クルクルつらつらと並ぶ 美しい文字と出会ったことでした。

カリグラフィーレッスンで使っている小物たちはブロカントで購入することが多く

羊皮紙や紙にかかれた賃貸契約書や公的な証明書などの裁判記録、手紙やポストカードなどの古い文字なども見つけることができます。

 

様々なものを見てきましたが、フレンチ草書だけは形と書き方にも特徴がありました。

一冊12ページあり大文字、小文字をほぼ網羅していて

レッスンできるだけの内容をも兼ね備えてもいました。


 

最初は文字がかわいいと思うに留まり、購入した後はしばらくの間そのままにしていたのですが…

よくよく読んでみると1768年ブール=アルジャンタル(リヨンから約50キロほど南下したところにあるフランス中部のロワール県のコミューン)起こった窃盗事件の裁判記録でありました。

 

かわいい文字にとは裏腹にとってもディープな内容(*_*)

 

その衝撃と面白さにまた心奪われ…

当時はmilleをmilと綴るなど、ほかにも所々に散りばめられている

フランス語の違いにも大変興味を持ちました。

 

この時代独特の単語の最後に持ってくるs,r,tの使い方なんかもとても勉強になります^^。

 

最初はただ「かわいい!」とときめいて購入したので

後々レッスンをすることになるとは思ってもいませんでした。

 

私はとても好きだけど、日本ではモダンが流行っていると耳にするし、

まっすぐな書体で、フランス語でまあまあ癖のある文字だけど受け入れてくれるのかな?

と最初はすごく不安でした >_<

 

前置きが長くなってしまいましたが、

“文字の復刻”として1768年の公文書に書かれた文字を書き起こし

日本で日本人向けにレッスンをしようと決意した時に

書体にイメージしやすい名前をつける必要がありました。

 

見た目はロンド体に近いのですが、繋げ方や書き方が

書道の草書を書いているときのようなぶつかり、流れ方などの感覚が似ていることから

まずは草書という言葉は入れたいなと思いました。

これは書道人口の多い日本ではすっと入ってくる言葉で

イメージしやすいと思ったかからです。

 

最初はロンド草書も候補にあったのですが

ロンドに似ているけどロンドではないし、書き方もペン先の使い方も違うので

紛らわしい言葉を使ってしまったらいけないなと思いフランス生まれの書体というところから

フランスの草書体=フレンチ草書(体)

と名付けたという経緯があります。

フランス草書ではないので注意です!

 

また、全て横文字でないところが日仏をつなげるものとして

しっくりきたというのもあります^^。

 

もともとカリグラフィーの書体の名前そのものも、国(言語)によって呼び方が違いますし、

書体誕生のずっと後になってから名前が付けられたものもいくつもあります。

フレンチ草書という名前は私の今までの経験と、何より生徒さんに“伝えたい”という

強い気持ちから生まれたものです。

 

 

この世に一つしかないオリジナルの原本

現代に18世紀の文字を復刻させて、生徒さんたちと共有したい

そのメラメラと燃える情熱からできたもの。

 

この先を見据えてやるべきこと、やりたいことをひとつずつ。

でもきっとその過程で困難も待っていることでしょう。

 

それもまた大事な道であり歴史です。

 

フレンチ草書のヒストリー

過去の文字として閉じ込めておかないで

これからも作り続け 残していきたいです・゜・。*

 

 

 

 

 

Mieさんのブログ記事から。

リブログさせていただきました^^。

フレンチ草書のことをとても詳しく丁寧に書いてくださっています♪