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毎年、発表会が終わったこの時期は、読みたいと思っていた本を読む事にしている。

読書の秋ならぬ読書の春。
1年間の歩みを振り返り、ピアノ意外の事を集中して充電し、蓄える季節。

このところ、日本画家、千住博さんの作品(絵画や版画など)に接する機会が多い。
どの作品にも私が共通して感じるのは、エネルギーと静けさ、現在と永遠、儚さと雄大さ、孤独と宇宙、など相対するものが共存している事、そしてロマンや美しさが描かれている事。

『わたしが 芸術について語るなら』は、子供向けに書かれたものに多少手を加えて出版されたものという事で、一気に読めば1~2時間で読めてしまう優しい文章。
選び抜かれた無駄のない言葉で、芸術の本質や人類の本質、本当に大切な部分が、研磨された宝石のように書き出されている。

このブログ≪ 響 ism ≫にも書いている、料理やワイン、五感について、更にキャッチ&リリースと同じような内容も登場し、共感することが沢山。

「美しい」と「きれい」の違いについて端的に指摘されていたり、芸術は生きることに関係していくという事、コミュニケーションなのだという事…

読んだ後に何一つ消化不良の無い、スーッと心に届く本で、千住さんの作品と同じものが感じられた。