舞台というものは、不思議な事が起こるもの。
何か言い知れない力が降り注いでくる事もあれば、魔物のようなものに取り憑かれて沼地へ連れて行かれる事もある。

自分の演奏に満足できた方、緊張のあまり本領発揮出来なかった方、
音楽よりもプライドや見栄が演奏を支配して音楽が壊れてしまった方、
体調や精神状態をコントロール出来ず不本意な演奏になり傷心された方。。。
あの会場の同じ空間に、色々な方がいただろうと思う。

厳しいようだけれど、何があっても、それは自分以外の誰のせいでもない。
私自身、昨日は舞台袖で自分にそう言い聞かせて、舞台に出て行った。

何が起きようと、それは今の自分に必要な事で、それをきっかけに自分が何かに気付くための出来事。
難なく弾いて、「弾いてやったぜ」という感覚で舞台を去っていく人よりも、何倍も何十倍も多くの事を学ぶはず。

目を背けず、事実を受け止め、その日の演奏を直視して、何が達成できて何が問題だったのか、
そうして自分をみつめる時間が人を肥やすのだと思う。
それは、次回の演奏に必ず繋がるはず。
そう信じて、また精進しよう。