おっちゃんは偉大 | 振り向けば雪女

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黒猫が綴る日々のあんな事やこんな事まさか…そんな事まで(?)
更新しない時はしない、する時は一気に更新されまくりな超不安定ブログですよ。
私の生き様をとくと見るがいい。ゆっくりしていってね!1             

週末の仕事で朝一で道に迷った。

変な山道に続く急な坂道に入ってしまって、これは道間違えたなって気づいたんだけどUターン出来る場所もなく…道幅も車一台通れるくらいしかなかったので怖かったけど意を決してバックで下がることに。

慎重に慎重に下っていって、もう麓に着くって時に油断しちゃってスマホのgooglemapを見てしまった。

これがいけなかった。次の瞬間ガタンって…車の後輪が側溝にハマってしまった;


運悪い事にこの日の車は社用車ではなく従業員のPくんの車;なんと人の車で脱輪という失態を犯してしまった…Pくんの車はよく貸してもらってるというか貸されるので乗り慣れてるから余計油断してしまったのかも;とりあえず出ないとどうしようもない…でもアクセル踏んでも出れなかった;

依頼の時間が迫ってるというのになんという事だ…この日は雨もすごかった。


私は特殊スキル『近所のおっちゃん』を使った。

雨の降りしきる中傘さしてる悠長な余裕もなかったのでなりふり構わず民家を求めて走った。

そして麓にあった1軒の民家に迷わず突入した。この民家は玄関先にインターホンついてるタイプの民家だったので庭に不法侵入したんだけど、運の悪い事に犬が放たれていた…パピヨンみたいなやつ。

職場の犬は知らない人が来るとめっちゃ吠えるのでこれはヤバイと思った。間違いなくワンワン言われると思ってビクビクしてたんだけど犬は何も言わずにこっちに近づいてきてガン見してきたので、「ごめんね;ピンチやから許して:」って一言だけ声かけてから犬をスルーしてインターホンにダッシュした。


ピンポン押したらおっちゃんが出てきた。おっちゃんキタ――(゚∀゚)――!!

おっちゃんは見知らぬずぶ濡れの女が玄関先に立ってたからちょっとびっくりしていた。

私は必死だったので「突然押しかけてすみません。助けていただけないでしょうか・・・」とおっちゃんに告げた。おっちゃんは「どうしたんや?」と事情を聞いてくれてすぐに現場まで駆けつけてくれた。

わんこはおっちゃんと話している時もそばに来てじっと興味津々に私を見ながら大人しくしていた。嬉しそうにテンション高いのに吠えない。よく出来た子だった・・・


おっちゃんは車の状態を見るなり「四駆やから出られるわ」と言って、運転席に乗って何やらタイヤの位置を調整してるみたいだった。そして「ワシが後ろから押したるさかいに、あんたは車乗ってアクセル踏み」って。さっきやったけど出れなかったのにそんなんで出れるの?と半信半疑だったけど、やるしかないので車に乗った。

「思いっきり踏むんやど」とおっちゃんは言ったので私はアクセルを踏み込んだ。

後ろからおっちゃんの「ぬぐぅぅうううう!!」っていう声が聞こえてきたかと思ったら、車がガコンってなってすっぽり抜けた!!


嬉しくて思わず車から降りようとしたら「あかん!もっと前に出し」って。だから少しだけ車を前に出してから降りておっちゃんにお礼を言った。そしたらおっちゃんは親切に車を麓までバックで下ろしてくれて、方向転換までして出やすくしてくれた。なんて親切なんだろう!神様じゃーと思って、めっちゃお礼言って図々しくもどこどこ行きたいんですけどどこですか?ってちゃっかり聞いたら場所まで教えてくれて・・・もうおっちゃんに惚れるかと思った。かっこよすぎやろ。


おっちゃんのお陰で依頼の仕事も遅れる事なく無事に終わって大変有難かったので、その日は昼休みに生菓子屋さんでプリンと桜餅と後はお利口さんだったわんこのおやつを購入しておっちゃんの家に改めて御礼にいった。そしたら残念なことにおっちゃんはお留守だった。

おじいちゃんが出てきて、私が事情を説明しようとしたら何も聞かずに「まぁ中へどうぞ」って上げてくれた。いいの?田舎こんなガード緩くて。そんな知らん人すぐ家に上げたら危ないよ;オレオレ詐欺ひっかかるよ・・・

そんな事思ってたら奥様がご登場。今朝あった出来事を話して御礼の品を渡そうとするも「そんなの困った時はお互い様なんだから気にしなくていいんですよ~」って。また優しい。さすがあのおっちゃんのお嫁さんだ・・・。だけどせっかくわんこの分もおやつ買ったんだから貰っていただきました。けじめはつけないと。


そしてPくんの車の事・・・脱輪したからえらいことになってそうな気がしたんだけども、ホイールも車体も目立った外傷は全く見当たらず・・・車の下も覗いてみたけど特に何もなってなくてあれぇ?って感じ。

正直言わなきゃ絶対バレなかったけど、罪悪感残るの嫌やったから言いにくかったけど正直に脱輪した事を話しました。内心冷や汗ダラダラだったんだけど、Pくんは眉一つ動かさずに「ああ、別にいいですよ」って・・・いやいやいや…;「外傷は何もなってなくてもなんか内部に問題あったら困るから、何かあったら言ってね;」とは言ったものの「普通に走るっしょ?いいっすよもう元々ボロボロですし」と返された。

傍から聞いていた社長も「こいつの車やろ?ほならええがなw大丈夫やw」って。あなたの車ちゃうやんwww


そんな感じで恐れていたお咎めもなく…すったもんだの一日でしたが人の優しさにたくさん触れる事が出来た日でした。ピンチの時には絶対誰か助けてくれます。困ってる人を無視できない国民性最高です!

そしておっちゃんのステータスは半端ないです。困ったときは皆さんも知らんおっちゃんをどんどん頼りましょう(笑)