PCを開ける時間がなく更新が滞っておりますが、先週は宮崎市にある博物館敷地内に移築・復元されている民家の棟修理をしていました。
それは「並列型」(※)というかたちの家で、家の間取りのなかでいえば私が一番好きなものの一つです。

※民俗学者・柳田國男は自著『後狩詞記』(『定本 柳田國男集』第二十七巻)において、この椎葉村の並列型民家の間取りについて次のように述べています。
「山腹を切平げた屋敷は、奥行を十分に取られぬから、家が極めて横に長い。其後面は悉く壁であって、前面は凡て二段の通り縁になって居る。間の数は普通三つで、必ず中の間が正庁である。 三間とも表から三分の一の処に中仕切があって、貴賎の坐席を区別して居る」



して一昨日は、南九州市の「知覧かやぶき技術保存会」の総会に出席してきました。もともと知覧町の武家屋敷群の保存を目的として設立されたこの団体ですが、現在は鹿児島ほぼ全域の葺き替え仕事を請け負っています。またその「伝統保存」に対する考えが、私のそれにも非常に近かったことがとても嬉しく、お願いして、お仲間に加えていただきました。
ありがたいお話です。

ここで鹿児島独特の、東南アジアにも似た茅ぶき屋根の葺き方を1から学ばせていただこうと思っています。










地元大分県の日田河原町でスギ皮葺き民家補修工事が始まった頃、あの恐れていた症状が再発しました。昨年秋の出来事です。

その工事は、家屋老朽化のため屋根の下部が傾いていたため、構造面から補強しなおすところから始まりました。
ジャッキをいくつか使って新たに数本の支柱を加え、まずは屋根を水平に戻すのに丸1日かかりました。
そこから本来の葺き替え工事のスタート。
情緒ある日田の水辺に並ぶおそらく最後の草屋根の民家です。

この現場の途中、運悪く私は「寝たきり」の半死人となり、体調的な理由により大分県を離れなければならなくなりました。※怪我ではありません。念のため。
生命の危険を感じ、1ヶ月後に療養・治療のため欧州にでかけました。

渡欧後は病状はみるみるうちに回復し、帰国し南に移り住んでからは体力が元の状態(311以前)まで戻ったことは以前ここにもかきました。
感謝です。

とくに欧州に出かける際、以前この仕事でお世話になった一人の施主さんから多大なご尽力を頂きました。
そのほか色々な方が応援してくださり、無事に欧州滞在を終えることができたわけです。
関わってくださった方々に心からお礼を申し上げたい所存です。有難うございます。




そんなこんながあり、私の13現場目は中途半端に終わってしまったわけです。


そして今年の3月の末、ようやく大分県に戻れると思った矢先に×××の焼却が、4月1日よりさらに3年間延長されるという発表がありました。
●●●の影響が少ない土地でしか身体が正常に機能しない私ですから、止むを得ず活動拠点を変更することとなりました。

これは民族建築文化継承に少なからず関わっている自分にとって当然の判断でした。
この先人の知恵・技術を、数世代先の日本人の若い子に残すという目的のため、生き残る必要があると思ったからです。これは私に限った話ではありませんが。

4月末、とあるアジール的な場所での生活を終えた私は、新しい土地でのカヤブキの仕事を探し始めました。
GW中にはいくつかの団体からお返事を頂くことができ、先週末さっそく最初の仕事依頼がありました。

半年ぶりに茅をたっぷり触りました。仕事を終えたときの爽快感に「ああ、これだ」と全身で喜びを噛みしめました。ありがたいありがたい。

したがって今後もこのブログは続きます。あしからず。


ところで、このGW入る頃から不思議に感じていることがあります。自分の進もうとしている方向への展開が、また出会う人や目の前に現れる現象の流れが、順序良くきれいに手元に収まって来るのを感じるのです。1分単位の絶妙なタイミングで。まるで最終話ストーリーの伏線が一気に収斂されるように。
それどころか、ぼんやり思い描いているだけで、まだしっかりと張っていない伏線まで回収されるという有様。これには驚くばかりです。

いったい世の中はどうなって来ているのでしょうか。




14現場目は棟部分等の補修を2棟行ないました(写真)
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今回の全国茅葺フォーラム開催場所は静岡だそうです。
私は参加しませんが、今年も全国から多くの人が集まるようです。
主宰は安藤邦廣氏(筑波大学教授、JTCA理事他)です。

【参考】プログラム詳細
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第4回茅葺フォーラム
【日 時】 平成25年5月25日(土)~26日(日)
【場 所】 静岡県・富士宮市民文化会館
【主 催】 富士宮市、富士宮市教育委員会、一般社団法人日本茅葺文化協会

25日(土)主なプログラム
【挨 拶】 
    富士宮市長
    安藤邦廣(一般社団法人日本茅葺文化協会代表理事)
【講 演】  
    「草原の文化的景観」   麻生 恵(東京農業大学教授)
    「伊勢式年遷宮と葺地管理」中川典之(神宮司廠 営林部)
【開催地と各地からの活動報告】
    コーディネーター 米山淳一(一般社団法人日本茅葺文化協会理事)
    富士山世界文化遺産登録に向けて(富士宮市)
    朝霧高原ふる森の茅場とその取組(朝霧高原活性化委員会)
    御殿場の茅刈り事業について(富士勇産業 長田友和)
    西湖いやしの里・根場の現状と課題(富士河口湖町)
    世界文化遺産五箇山の合掌の森の取組(越中五箇山菅沼集落保存顕彰会 荒井宗浩)
    茅葺きをもっと身近に(淡河かやぶき屋根保存会・くさかんむり代表 相良育弥)

26日(日)は、朝霧高原や西湖・根場の里他の見学

詳細、お申し込みはこちら「日本茅葺き文化協会」にて

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そして5月22日~24日には、鹿児島の薩摩川内市の入来麓武家屋敷群において「伝統的建造物群保存地区サミット」が開催されます。こちらも全国から関係者方が集まるようです。

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(会場・入来麓武家屋敷群のなかの茅葺屋敷)