藤井聡太八冠奪取、そして最も大切な掟とは | 資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる【白鳥光良の Work Life Fusion】

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100キロマラソン、フラメンコの唄と踊りとギター、創作落語、将棋、ファイナンシャルプランなど、様々な世界を融合(fusion)させる【白鳥光良】が「資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる」を研究&実践中

その年の夏はやけに暑くて長いような気がしたが、10月に入ると急に肌寒くなっていた。

「それにしてもソータがこんなに早く8冠を奪取するとは思わへんかったわ」

「えっ、藤井聡太八冠・・って、今はまだギリギリ7冠じゃなかったでしたっけ」

「ええのええの。もう96%以上の確率で今月に八冠目の王座を奪取するリーチが掛かっとるんやから八冠達成のニュースが流れる前に前倒しで話をしようやないか。2025年には日経平均が4万円、NYダウが45,000ドルを突破する前提で話をするようなもんや」

「それはちょいと気が早過ぎやしませんか? 不確実な将来を断定的に話すのもコンプラ的にいかがなものかと思いますし・・」

「コンプラコンプラって最近は目的意識のあるコンプラじゃなくて形式的なコンプラのためのコンプラを振りかざして偉そうに言論統制するコンプラバカが増殖して堪んねえな。あんたも個人の資産管理コンサルタントなら一番大切なことは何かわかるやろ?」

「個人の資産管理コンサルタント? あー、ファイナンシャルプランナーのことですか。私もこの仕事については色々考えながら真剣に取り組んできたつもりですが」

「じゃあ、パーソナル資産管理コンサルタントとして最も大切な掟は何やと思う?」



「えーとそれは職業倫理みたいなものですか? そうですね・・例えば顧客の資産を最大化する心意気でしょうか」

「めっちゃスパイシーな回答やな。あんちゃん、お客さんの資産をガンガン増やすことが最も大切やと本気でおもてるんか?」

「運用リターンを高めることはそれなりに大切ですけど、それを果てしなく追求すると確かにリスクがどんどん高まってしまいますね」

「せやな。ようわかっとるやないか。ほな他に何があると思う?」

「お客様に損をさせないようにすることでしょうか?」

「『お客様に損をさせない』は頭の悪いアホな優等生が好きそうなフレーズやな。その発想はマトモに見えて実はかなり危険やで」

「ア、アホな優等生? それはどういうことですか?」

「よう考えてみい。例えば、絶対に損しとうない人はリスク取れへんから預金の類いしか持たれへんけど、世界的なインフレが日本にも押し寄せてきた今の状況が続いたらどうなる思う? 価値が目減りして『表面的には損してないのに、実質的にはかなり損した』てことになりかねへんで」

「確かに昨年から今年にかけては継続的な物価上昇の流れがついに日本にもキターッて感じがありますねー」

「そんな楽しそうに言わんでええ。あと、人は『ここは損してもいい』『客観的には損っぽいけど個人的には満足』と思うことにお金を使うことで人生の質が高まったりするもんや」

「ふ、深い・・。家族との時間や、子供への愛情とかそういうものですか」

「ホンマに好きでやってる趣味もそうやろな。他人からみたらアホな無駄遣いに見える出費も、適度な範囲なら人生を豊かにするもんや」

「てことは『お客さんが計画的に損をする』ことはお客さんの幸せにつながってそうですね」

「せや。誤解を恐れずに言えばお客さんに損をさせること・・意識的にリスクを取ったり、計画的に無駄遣いをしたりするのをサポートするのも、パーソナル資産管理コンサルタントの重要な役割なんや」

「それで『最も大切な掟』ってのは・・あっ、守秘義務のことですか?」

「確かに守秘義務はメッチャ大切や。これを守れない口が軽いヤツは今すぐ廃業すべきや」

「確かに個人の資産の話は色々とセンシティブだから・・聞いたことペラペラ話す口が軽そうな人には絶対に相談したくないですね」

「せやろ。さらに言えば相談者が夫婦や親子の場合、一方だけから聞いたことは軽々しくもう一方に話さない慎重さが必要やで。個人の資産状況は家族に知られたくない人も多いやろからな」

「た、確かにそのくらいの慎重さがある人のほうが安心して相談できますね。それで『最も大切な掟』は何なんですか? そろそろ答えを教えてください!」


「今のワイが思う最も大切な掟は『クライアントの人生全体に深い関心を持つこと』やな。単なるセールスの技術として関心があるフリをするんじゃなくて、そのお客さんの過去の人生や現在の価値観を理解した上で今後の人生のフィナーレまで深い関心を持って不安や安心や様々な喜怒哀楽を想像してみるんや。もちろん今後の収支や資産の増減も軽くイメージしておく。ひとりひとり相当に違いがあるで。様々な画家のアートを眺めているとひとつひとつが異なる個性を放っとるように」