年間342目(6月5本目)
1955年公開 邦画 27位 全 97本中
通算 邦画 9,082本 洋画 7,288本 合計 16,370本
監督の千葉泰樹は東宝のプログラムピクチャーの
職人的な監督のイメージである。
あの社長シリーズなんかもとっているし
私たちの時代には、「われら青春」とか「飛び出せ青春」などの
日テレの青春ドラマの演出で知っていた。
そんな千葉監督は小市民的な家族ドラマの演出も上手い。
そんな東宝のイメージの千葉監督で役者も小林桂樹で脚本も井手俊郎だし
東宝色なのに東映で、しかも、主演は小津=松竹のイメージの
笠智衆(小津映画などのお爺さんではなく等身大の45歳の役も
珍しい)で、しっかりと望月優子との当時の国鉄職員=サラリーマンの
かつかつの生活を家族の人情を含めた小市民映画。
でも1955年の東京駅とかD51などの蒸気機関車の製造、メンテを見せたり
目黒駅の木造の駅舎や駅の周りの風景などの当時の東京がみれる。
さらに、勤勉実直である主人公が、家の中、会社のデスクなどで
子供がいようとお構いなしのタバコを吸い、挙句の果ての
外で歩くときには平気にくわえたばこでしかも、町のどぶ川に
吸殻を投げ捨てる風景には、コンプラ現代では驚くべきシーンの
連発であった。それだけも昭和30年の現状が見れる貴重な資料に
なっている。