年間194本目(4月18本目)
2022年公開 邦画 6位 全 105本中
通算 邦画 8,992本 洋画 7,232本 合計 16,224本
キネ旬ではベストテンを評論家と読者の両方で発表する。
そのやり方は、各自でベストテンを作っての得点形式で行う。
なので、評論家と読者は一致はしないが、大体同じような作品が選ばれる。
(一年間に少なくても洋邦を10本以上見ていて投票できるのは、映画ファンでも
映画通の人が多い)
なのに本作では、評論家では4位と高評価であったのに、
読者は30位とかなりの格差であった。
難解系(独立系)でも三宅唱とか「PLAN75」だってベストテンにいるのに
本作では映画通のキネ旬読者も評価されなかった。
見てみてなんとなく理由が分かった気がする。
本作は、発達障害の子供をそのまま彼女視点で描いているのである。
(その点では、「ウルトラミラクルラブストーリー」と似ている)
なので、マイノリティの子供は可哀そうとか、家族は大変とか、病気と闘う
家族の奮闘記などと期待?して見ると、「そこが違う」とか「納得できない」と
なってしまう。
子供を流産して、失意の時に主人公からの行為で(精神が)壊れてしまう
継母の尾野真千子を壊れてから描かないし、あんなに家族思いの
兄が壊れても「家からいないひと」で描かない、更に、すべてに消極的で
優しいだけで家族を守れない父=井浦新など家族の壊れかたや
どうなったのかはすぱっと描いていない。
それは主人公が知らされないのだからわからない、どうして教えてくれないと
主人公は純粋に謎と考える。
初恋の同級生からの暴行、母の号泣、兄の喪失、父の育児放棄
勿論彼女が発端であるが、発達障害なのでコントロールできないし
良かれと思っての行動である哀しみが痛切である。
お誕生日プレゼントのトランシーバーや亡霊に「まだ大丈夫」と
彼女が「どこかへの」回答の会話が秀逸である。
発達障害の主人公目線で彼女の行動、悩みを彼女目線で描いた佳作であった。