年間152本目(3月49本目) 

2022年公開 邦画 1位 全 97本中

通算 邦画 8,969本  洋画 7,213本 合計 16,182本

 

国家規模での高齢化社会を

制度で(安楽死)で年齢制限を行う

近未来の寓話は欧州では小説や映画での

得意な近未来の管理社会ものの寓話が多い設定である、

なので、本作には日本でよりもフランスのカンヌ映画祭(特別賞)の

方が受けて日本では逆輸入での評価(キネ旬ベストテン入選)された。

さてこういった欧州での数(税金)の問題での75歳で安楽死を選ぶ

制度(まあ、実際の難病での安楽死も宗教的な反対も多いので

実社会ではありえない話ではあるが)をフランスなどの欧州で描くと

非人間的な無機質で国家が威圧的で救いのない映画に

なってしまうのであるが、楢山節考で過去のも実際にあった

日本では無機質には描かない。

実際に、「死」を選ぶ倍賞千恵子も、老いて一人暮らしで、

失業、不動産の拒否、再就職も出来ず、友人も孤独死などの

悲惨な状況であるが、淡々としっかりと生きている姿があるし

死を選んでからも、死へのサポートの若い女性=最近売り出し中の

河合優実とのお話を、会話によって元気をもらっている。

そんな役所仕事のPLAN 75(国家規模の老人の安楽死)の

仕事を、喜怒哀楽もなく「仕事」だからと淡々と行っている姿と

河合優実が仕事で知り合っての倍賞千恵子との四方山話で

人間と認識して変わっていく(行動はおこなさいが)老婆について

考える点がヒューマンに物語をつくるのが日本人の特性であろう。

磯村勇斗と叔父の話も同じである。

なので日本人的なうまさで無機質な制度の物語に温かみがある。

 

但し、75歳の設定が微妙に気になる、倍賞などは

ワザと老けさせているが、周りの75歳がこんなに老け込んでいないし

普通に働けるし働いているので、安楽死は老いの為や生活保護でしか

生けるすべがないとしているが、現実はそうでなく、75歳の適用では

安楽死というよりも「自殺」を推奨しているので恐怖政治になってしまる。

なので実際に描けている様子では現実では85歳程度(日本人の寿命もそのくらい)

の安楽死みたいに見えて実際の75歳ではない様子に見える。

 

あと死んだ後の処理を外国人と(75歳対象になる)老人にやらせているのは

昔の日本のえた非人の感覚なのか残酷。→多分、単純に後期高齢者なのか

外国人がゴスペルを謳う教会参列者で、牧師?からの紹介で死人処理をするのも

キリスト教的には違和感が。