年間129本目(3月26本目) 

2020年公開 邦画 3位 全 215本中

通算 邦画 8,956本  洋画 7,203本 合計 16,159本

 

中野監督はある意味ブレない。

彼の映画のテーマは家族であり、一般の人たちとは違って

はみ出す一家であるし、それぞれに個性もあるが、でも

家族愛(母子、父子、兄弟)のそれぞれの絆をしっかりと

描こうとする。

今回も(実話らしいが)主人公はある意味天才型で怠け者な

未来写真家のぷーであるが、末っ子の彼がやりたいのは

父母を喜ばせたいが一心で家族写真を撮る事で

それで写真家として成功をする。

でも、芸術的な写真とかではなく、あくまでも「両親を喜ばす」ので

家族写真にこだわる。

そしてそれだけでは終わらないので、中野監督としても一枚上の

映画の成功をあたえる。

東日本大震災での家族写真の家族の消息を訪ねての

行方不明で流されていた写真の家族(遺族)への変換ボランティアで

ある。

それで、写真の持つ普遍性や思い出の写し取りという写真の持つ

良さ・重みを出せている。

しかも、震災や病気で死んだ人の写真の中で生きる様が

写真で残る意味も考えさせる。

「なんでお父さんの写真がない」のエピソードも泣ける。

主人公の二宮和也は力をぬいたちゃらんぽらんとスイッチが入る

切り替えを軽演技で好演。

一番驚くのは、菅田将暉が、菅田将暉と感じさせない脇役を演じていて

びっくりする。

語り部であった妻夫木聡、理解者の幼馴染の黒木華の邪魔しない脇役ぶりもよかった。

母の風吹ジュンも相変わらずに好演であるが、父役の平田満が初期に演劇臭さが

なくなって枯れた演技が良い。