いかにして契りおきけむ白菊を
都忘れと名づくるも憂し
順徳上皇
この歌を思わずして、都忘れ の花は語れない。
配流の島佐渡で、父帝が愛した白菊(皇室のシンボル)を、
よく似たこの花に寄せて、都を恋しく想った歌。
佐渡と言えば、「朱鷺」で有名な島。
はるか昔は、
朱鷺が群をなして飛び、
空を赤く朱鷺色に染めたという。
今日この頃、
佐渡と言うと、
曽我ひとみさんと、ジェンキンスさんを
思い出すのは、
私だけではないはず。
拉致被害者全員の一日も早い救出を、
心から、願わずにはいられない。
遠く北の空から、
都忘れに寄せた順徳上皇のように、
故郷を想っては涙し、
毎日毎日、
来る日も来る日も、
憂いているにちがいないから。