今日の読書~『株式会社タイムカプセル社』 | ヒズモのブログ

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喜多川 泰 著 『株式会社タイムカプセル社』 (新版)

(2022年4月、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、定価1650円(税込)

 

喜多川泰さんの新版が出たということで早速購入して読みました。

7年前、2015年に同名の新刊が出た時に予約してわくわくして読んだことを思い出しました。7年前の私の記憶はきれいに無くなっていて、初めて読んだと同じ感動の物語を楽しむことができました。

 

 

帯にある紹介文です。

「<人生は、いつでも、何度でも、どこからでも、やり直せる。>
45歳で仕事も家族も失った英雄は、株式会社タイムカプセル社という一風変わった会社で働くことになる。未来の自分に向けて書いた手紙を、数年〜数十年後に配達することを事業とする会社だ
配属されたのは<特別配達困難者対策室>。仕事内容は、さまざまな事情で配達不能になった人たちに直接手紙を届けにいくというものだった。英雄は上司の海人とタッグを組み、2週間のうちに5通の手紙を届けるという任務につく。
大阪、北海道、東京、そしてニューヨーク。各地で手紙の受取人と出会い、それぞれの人生に触れていく中で、英雄は自分の本当の気持ちに気づいていく――」

 

著者のあとがきに「物語の中身をいくつか修正して新版として生まれ変わりました。」とありました。私の心に沁みた言葉をご紹介します。

 

夢がないっていう人は、とにかく今、目の前にあることに一生懸命になってみろ。がむしゃらに打ち込んでみろ。夢を持とうとしなくてもええから、今、目の前にいる人を笑顔にしてみようって思てみろ」(P83)

 

すべての人には、自分で苦しみや逆境から立ち直る力があるって。そして、それは出会いという奇跡によって始まるんです。」(P92)

 

「そろそろ今に生きてみませんか。いや、むずかしいのはわかっています。でも、今、ここに集中することができれば、少しずつ過去も未来も変わっていきますから」(P166)

 

過去の自分の行いは、今日の優しさ、謙虚さの源にすればいい。それがあるから、あなたは人の痛みのわかる優しい人になれたという経験にすればいい。だからといって、幸せになる資格がないっていうのはおかしい。」(P168)

 

「朝起きると息をしている。生きている。生きているってことは、きっと僕にはまだ役割があるはずだって自分に言い聞かせています。(P203)

 

底知れぬ大きさを持つ人は、底知れぬ孤独、悲しみ、苦難を経験してきている人だ。底知れぬ優しさ、許容力を持つ人は、誰よりも傷つき悩んだ人だ。」(P209)

 

誰も恨むな、人を嫌いになるな」(P219)

 

人間はみな、本人がその場にいなければその言葉が本人に届くかどうかあまり考えもせず、つい、頭の中でふと思ったことをそのままに垂れ流してしまう。そういう弱さを持っているんだよ。―(中略)-ネットの書き込みだって同じだろうよねきっと。だから、会ったこともない人に、『あなた、気持ち悪いんですけど』なんて平気で書ける。ネットにそんな書き込みをする人でも、初めて会う他人に面と向かって『笑顔が下品』とか言った経験はないはずだよ。だから、他人がどうこうじゃない。自分がそういうのを口にしない強さを持たなきゃいけないって、ただそれだけのことだ。」(P227)

 

現実に行き詰まったからこそ、理想を追うチャンスじゃないですか」(P258)

 

「出会った人は誰もが、それぞれ悩みを抱えていた。でも、過去の自分が書いた手紙と出合うことで、心の闇の中にいた彼らが、その先にある光に気づき、新しい人生を始めるきっかけを得ていた。」(P268)

 

苦しみを乗り越えれば乗り越えるほど、優しく、そして強くなれる。そしてその優しさ、強さは、周りの人たちの心に火をつける。」(P270)

 

いいことがあると、過去が変わります。人間は未来を変えることができるといいますが、過去も変わるんです。」(P274)

 

読む人のことを大切に思って書いた愛に溢れる手紙は、読む人に怒濤の如く愛を放つ。その愛が、読む人の心を打つ。」(P344)

 

「想い」を伝えるのは「言葉」ではなく「行動」だといえます。」(P353)

 

著者のあとがきに「この本が気に入ったならば、実際に十年後の自分に向けて、心を込めて手紙を書いてみるのもいいかもしれません。」とあります。 …書いてみようかな。

 

 

お読みいただき、ありがとうございます。