映画『泣き虫しょったんの奇跡』 | ヒズモのブログ

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映画 『泣き虫しょったんの奇跡』 (2018年、東京テアトル、127分)

監督・脚本 豊田利晃、 原作 瀬川晶司

キャスト 松田龍平野田洋次郎國村隼小林薫イッセー尾形

永山絢斗、染谷将太、妻夫木聡、上白石萌音、石橋静河、板尾創路、藤原竜也、松たか子、美保純、駒木根隆介、早乙女太一、渋川清彦

 

公開時、見逃したこの映画、WOWOWで観ました。奨励会に所属していた監督ということで、将棋というもの、天才揃いの棋士へ道のりの厳しさがよく伝わる演出、豪華な出演陣、本物棋士もたくさんで、楽しめて、感動しました。

 

映画.comの解説です。

「青い春」「ナイン・ソウルズ」「I'M FLASH!」などでタッグを組んできた豊田利晃監督松田龍平が、棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説「泣き虫しょったんの奇跡」を映画化。おとなしくて何の取り柄もなかった「しょったん」こと瀬川晶司は、将棋で初めて周囲から認められたことをきっかけに棋士の道を目指す。ライバルや師匠との出会いを経て着々と実力をつけた彼は、プロ棋士の登竜門である奨励会に入会。しかし「26歳までに四段昇格できなければ退会」という規定へのプレッシャーに負け、退会を余儀なくされてしまう。大きな挫折を味わい絶望に打ちひしがれる晶司だったが、将棋を愛する気持ちや仲間たちに支えられ、再びプロ棋士を目指すべく立ち上がる。松田が主人公の瀬川晶司を演じ、共演にも永山絢斗、染谷将太、妻夫木聡、松たか子ら豪華キャストが集結。

 

 

 

瀬川氏がサラリーマンになってから棋士への再挑戦が叶い、チャレンジされた際は、すごいなと思って注目していました。その壁を突破され、棋士となられたことは本当に素晴らしい。演じる松田龍平も、イメージぴったりでとてもよかったです。

 

 

 

好きなことをやれとずっと応援するお父さん役の國村隼、優しく励まし見守ってくれる学校の先生役の松たか子、子供の頃の将棋道場で鍛えてくれる先生役のイッセー尾形、みなさんとても味のある演技です。

子供の頃からのライバルでよき友、鈴木悠野役は野田洋次郎、ここに出ておられたとは知りませんでした。松田龍平との会話シーンがよい雰囲気で、みていてホッコリします。

 

 

 

永山絢斗、染谷将太、妻夫木聡、上白石萌音、他の主演級の俳優陣の演技を観ていて嬉しくなります。藤原竜也が見知らぬ男性のちょい役で出演されていますが、とても印象に残る演技です。瀬川の実力と人柄を高く買って、棋士への道筋をつけようと将棋連盟との交渉を行う藤田役に小林薫、気持ちが伝わる好演です。

 

 

鹿島澤先生から激励ハガキに涙する瀬川、将棋の対戦シーンのカメラワーク、対戦開始から、振り駒、駒組、指し手、投了までの緊張感のあるシーン、…印象に残るシーンです。現役棋士の出演が多いので、実戦の雰囲気が伝わってくるのだろうと思います。

 

瀬川氏の実力、人間性に惚れて、多くの支援者が日本将棋連盟と交渉し、規定にないプロ編入試験が実施され、合格されたことは、本当に素晴らしいことだと改めて思いました。

 

私は昔観たNHKドラマ「煙が目にしみる」(1981年)を思い出しました。川谷拓三が当時の年齢制限30歳の奨励会を退会しなければならなかった男を演じ、棋士になる厳しさを知ったドラマでした。奨励会の話は大崎善生「将棋の子」に詳しく、おすすめです。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

(画像はお借りしました。)