映画 『淵に立つ』 (2016年、日本・フランス合作、119分)
監督・脚本 深田晃司
キャスト 浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治、太賀、篠川桃音、三浦貴大、真広佳奈
WOWOWで観ました。観終わって、いろんなシーンが頭の中をかけめぐり、自分が淵に立たされた気分になり、こわかった。
映画.comの解説です。
「「歓待」「ほとりの朔子」などで世界的注目を集める深田晃司監督が浅野忠信主演でメガホンをとり、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した人間ドラマ。下町で小さな金属加工工場を営みながら平穏な暮らしを送っていた夫婦とその娘の前に、夫の昔の知人である前科者の男が現われる。奇妙な共同生活を送りはじめる彼らだったが、やがて男は残酷な爪痕を残して姿を消す。8年後、夫婦は皮肉な巡り合わせから男の消息をつかむ。しかし、そのことによって夫婦が互いに心の奥底に抱えてきた秘密があぶり出されていく。静かな狂気を秘める主人公を浅野が熱演し、彼の存在に翻弄される夫婦を「希望の国」「アキレスと亀」の筒井真理子と「マイ・バック・ページ」の古舘寛治がそれぞれ演じた。」
こわい映画でした。浅野忠信の言葉、表情、仕草、服装、筒井真理子、古舘寛治の夫婦で交わされる言葉、、太賀との会話、静かなシーンの中のメトロノームの音、オルガンの音、旋盤の音…、次に何が起こるのか読めない恐怖を感じるストーリーでした。
この映画の怖さは、自身が心の奥底に持って出さない気持ちを映画の中の人間にみてしまう為に感じるのだろう。浅野忠信の演じる振れ幅の大きい狂気をもった人間の演技にはしびれた。筒井真理子は8年間の変化をしっかり演じ、すごい女優さんです。
太賀が語る内容で、夫婦の表情、言動が変化していくところでは、胸が苦しくなりました。
あの、ラストシーンでどうなったのか。そして、その後の家族はどんな人生を送るのか。観る人それぞれが考えるんでしょうねえ。
映画を観終わっての後味の悪さは、自分自身が深いところで淵に立たされていることを自覚してしまうからなのでしょう。
お読みいただき、ありがとうございます。
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