業務改善系コンサルをやっている方のYouTubeを見ていたら、動画のコメント欄でマネジメントについてお勧めの本が紹介されていたので、図書館で借りてみた。

 

何も考えずネットで近場の図書館に予約していたので、図書館カウンターの方が奥から分厚い鈍器本を持ってきたときに若干後悔していた。

 

 

 

「『ザ・ゴール』企業の究極の目的とは何か」 
エリヤフ・ゴールドラット著


1984年米国で出版。日本語訳は2001年になってから(間違った経済政策で日本が消滅確定したことを待ってからの出版かな!)
 

翻訳者が著者と対話した時のこと。著者曰く「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に、『ザ・ゴール』のような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥ってしまう」とかなんとか、御冗談を‼

自身が開発した工場の業務改善・生産性向上ソフトはとても素晴らしいものでほぼ確実に効果が期待できるものだが、思ったほど売れ行きは良くない。高価なので資金力のある大企業にしか売れていないとも考えられる。

そこで、ソフトの原理をわかりやすく解説した小説を書こう(小説内では実際のソフト名は出てこず、ソフトの原理わかりやすく、各人の業務に置き換えていた)

小説は面白く、ソフトの販促ツールとしても好評

しかし、小説の通りに実行したら生産性が向上してしまった。
つまり、何千万のソフトを買わずとも、小説の通りに人力でやったら解決してしまった事例多発

ソフト販売の大義を見失い作者自問自答
 

 

みたいな、本にまつわる小話もなかなか興味深い。

 

 

実際、結構分厚い本だったが、設定や展開がイメージしやすく結構簡単に世界観に入ることができ、読み切ることができた。

 

途中、詳しい機械の説明や工場特有の制約条件の話はついていけなかったが、そこは個別の話なので理解していなくても特に問題はないと思う。

 

 

読書メモなので、私が付箋を貼った部分を記録しておきたいと思う。あとで読み返すときの参考になれば。

 

・p.54

「生産的であるということは、自己の目標と照らし合わせて何かを達成したということなんだよ。」「生産性とは目標に向かって会社を近づける、行為そのものだ。会社の目標に少しでも会社を近づけることのできる行為は、すべて生産的なんだよ。その反対に目標から遠ざける行為は非生産的だ。」

 

・p.206-207の図 

ボトルネックと処理能力の関係

処理間の接続問題

 

・p.299

一部の作業の効率を下げるのに、工場全体の生産性は逆に増えるのだ。

 

 

・p.439

会社組織は、機能の集中化と分散を5~10年ごとに繰り返している話。会社組織がうまくいっていないときに組織再編を試みるのは常という皮肉。