先日より、満を持して”ジョジョ”の世界に足を踏み入れた。
きっかけは、『荒木飛呂彦の漫画術』を読んだこと。
これを読んだら、じゃあ実際に漫画でその技術を確認しようじゃないかという気分になってきた。今まで敬遠していただけに。
近所の図書館には文庫本のジョジョが置いてあった。
が、すぐそばに並んでいた大判カラー版の『岸部露伴ルーヴルへ行く』の方が目に入ってそっちを手に取った。
世界観に引き込まれすぐに全部読んでしまった。
王道すぎるのに世界観は唯一無二。これが荒木飛呂彦…
私が『ジョジョ』として初めて見たのは「第6部ストーンオーシャン」だった。
2000年頃、コミックで読んでいたONE PIECEの最新話を読みたくて週刊少年ジャンプを買っていた時期があった。その時に掲載されていたジョジョがそれだった。
全然話にはついていけなかったが、女性が主人公のようでジャンプには珍しいなと思った。サラ・コナー並みに闘えそうな強そうな女性だけども。
ONE PIECEに比べると圧倒的に濃ゆい画風に圧倒されてなんとなく苦手な絵だなとは思ったものの、主人公らしき女性(徐倫)の姿はなにか惹かれるものがあった。
(余談だが、この時ジャンプに掲載されいてた『ノルマンディーひみつ倶楽部』が私が他人にお勧めしたい漫画第1位である。何を隠そう、その主人公の「踝炉暖」から苗字を拝借しているので紹介がてら。)
大学に行ったら、周りにジョジョファンを公言する人々、集合写真では必ず”ジョジョ立ち”をする人種に遭遇して彼らの話をなんとなく聞いていると、ジョジョの主人公はどうやら女性だけじゃないことを知った。しかもなんかスタンドとかを使えるらしい。
主人公いっぱいってどういうこと?スタンドって何??
しかしすでにファン層が厚い界隈に下手に手を出すとやけどするのが人間社会の掟。
私はスッとその界隈からは離れることにした。
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どのコミュニティに行ってもだいたい一人くらいはジョジョファンがいた。
こんなにファンがいるということは何か面白いものがあるのだろうとは思っていたけどやけどをしたくないために特に自分から近づくことはなかった。
しかしようやく時が来たようだ。
ジョナサン・ジョースターはザ・主人公タイプ。
少年漫画の王道主人公だ。
家柄はよく、性格もよろしく、素敵な伴侶にも恵まれており、私からするとまぶしすぎて直視できない主人公である。でもジョナサンに惹かれるものはある。私もジョナサンみたいになりたいと思ってしまう。
どちらかというと私の性格はジョナサンよりもディオ的な面があるように感じる。
もちろんあそこまで表出させることはないけれども、なんとなく根本の性格はディオに近い気がした。
ディオにもディオなりの正義はあるけれどもそれは社会的に悪であり、それは正義によって敗北する運命にある。演戯を作る側も見る側も、どちらが勝つか負けるかはすでに知っているにもかかわらず、劇に参加し、劇の登場人物とともに勝利し、かつ敗北するという構造。
福田恆存の演劇論を引くまででもないが、これがカタルシスというやつなのかもしれない。
第1部において、運命、必然、というものが上手に描かれていたのはツェペリのおっさんだったように思う。
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ジョジョの連載は1987年から始まったようであり、現在、第9部 ジョジョランドが描かれているとのこと。
実は私も1987年生まれである。
私の人生は第何部あたりか。