清少納言は「枕草子」で「心ゆくもの」の一つに「よる寝起きて飲む水」をあげる
昔、水は生命の水でありよい水の出るところに御手洗(みたらし)ができ、祠(ほこら)
が立ち、人々が移り住み、村ができた
名水のそのほとんどは神社の御手洗の水なのだ
四国八十八霊場への遍路道は奇跡の弘法水と呼ばれる湧き水で結ばれている
弘法水とは弘法大師・空海(真言宗開祖)が約1200年前掘り当てたと言われる水
(ダウジングの手法で探したとも)
空海が修行のため四国八十八ヶ所を廻った巡礼は江戸時代にブームとなる
東海道には53の宿場と約3000の旅籠があったが遍路には街道の整備すら整って
いなかったが、最盛期には1日300人が行き交うほどの人気となった
何故流行ったのか?
それは弘法水に秘密がある
標高484メートルにある七十三番札所・出釈迦寺
空海が幼少のころ修行したと伝えられる
ここは雨の少ないところで渇水に悩まされていたがこの弘法水・柳の水は枯れたこと
がない又、大阪の豪商の娘の病が治らず苦しんでいたところ旅の僧侶がこの水をさし
出し、この水で薬を飲むと大病が全快したと伝えられる
この他の色々な噂と空海の広めた真言宗が宣伝効果をもたらし四国巡礼が、今日
世界各国に広がっている
近年、弘法水(柳の水)を検査したところ、ミネラルを普通の水の倍以上含んでいた
すべての弘法水も1.5倍~2倍のミネラルを含んでいる
ミネラルの主成分のマグネシウム・カリウムは血圧の正常化などに効果がある
かつて遍路道はいくつかあったが、弘法水のないルートは淘汰され現在のような
ルートになっていった
尚、弘法水は空海所縁の地、和歌山、京都、奈良をはじめ北は青森から南は鹿児島まで
全国に約1500ヶ所ある
変わった弘法水で秋田県能代市二ツ井町の七折山からは塩水がでる
愛媛県今治市波方町の大角海浜公園近くでは真水が出る
尚、空海は日本人のソウルフード、うどんの伝承者であり
遣唐使として中国に渡った際、小麦粉を練って茹でた料理「コントン」を
持ち帰ったのが始まりで、八十八番札所・大窪寺のそばのうどん屋「八十八庵」
は弘法水で讃岐うどんを作っている
弘法水で出汁もうどんも滑らかになるとのこと
日本が豊かな国に発展できた大きな理由の一つは質のよい水にあるのだ