透析患者へのフェキソフェナジンの投与 | 病棟薬剤師&DIやん

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医療従事者の方々向けに書いています。非医療従事者の方々はここに書いてある情報を鵜呑みにせず、必ずかかりつけ医・薬剤師等にご相談ください。

透析患者さんが皮膚科から、以下のような処方を受けていました。

 

フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg 2錠

 分2 朝夕食後 14日分

 

↓の本で調べてみると、

 

透析患者への推奨投与量は、

1回30mgを1日2回で、

 

ESRDでは主に小腸のP-gp機能の低下により、

AUCが2.8倍になるが、

半減期はあまり延長しない

として、以下の論文を紹介しています↓

 

アレグラの添付文書(↓)によると、

 

16.5 排泄
健康成人男子8例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル60mgを単回経口投与したときの

投与後48時間までの尿中フェキソフェナジンの平均累積回収率は、11.1%であった。
健康成人男子に14C-フェキソフェナジン塩酸塩溶液60mgを単回経口投与したとき、

投与後11日までの尿及び糞中の回収率は91.5%で、

放射能を示す分画のほとんどはフェキソフェナジンであり、

糞中に約80%、尿中に約11.5%排泄された1) ,6)  (外国人データ)。

とあり、糞中に8割の排泄なので、

小腸のP-gp機能の低下による影響は大きそうです。