「CYP3Aを強く阻害する薬剤」とは | 病棟薬剤師&DIやん

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医療従事者の方々向けに書いています。非医療従事者の方々はここに書いてある情報を鵜呑みにせず、必ずかかりつけ医・薬剤師等にご相談ください。

オレキシン受容体拮抗薬(ORA)の

スボレキサント(ベルソムラ)は、

次の薬剤が併用禁忌になっています。

 

**CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、ネルフィナビル)

を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕

 

もう一つのORAである、レンボレキサント(デエビゴ)には、

併用禁忌薬はなく、次の薬剤が併用注意となっています。

 

CYP3Aを阻害する薬剤
 イトラコナゾール
 クラリスロマイシン
 エリスロマイシン
 フルコナゾール
 ベラパミル

 

ベルソムラの添付文書には対象薬剤がはっきりと書いてありますが、

デエビゴのそれは、「等」と少しぼかした書き方です。

 

しかし、デエビゴの「適正使用ガイド」(↓)を見ると、詳細が書いてありました。

 

ガイドでは、あくまで「参考」とされていますが、

 

例えば、「強い阻害剤」とは、

相互作用を受けやすい基質薬の AUC を 5 倍以上に増加させる薬剤

という定義らしく、

 

● コビシスタット
● エルビテグラビルc)
● グレープフルーツジュース
● イトラコナゾール
● ケトコナゾール
● ロピナビルc)
● ポサコナゾール
● リトナビル
● ボリコナゾール
● クラリスロマイシン

 

が挙げられています。

 

ソースは、↓の表3-2らしいです。