悪性症候群には筋強剛をチェック | 病棟薬剤師&DIやん

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医療従事者の方々向けに書いています。非医療従事者の方々はここに書いてある情報を鵜呑みにせず、必ずかかりつけ医・薬剤師等にご相談ください。

 

悪性症候群。

 

主に抗精神病薬の開始や中断・再開などによって,

高熱,意識障害,筋強直,横紋筋融解などをきたす症候群

です。

 

診断基準としては、

Caroff and Mannの診断基準

Levensonの診断基準があり、

 

前者は、

以下 5 項目全てを満たせば確定診断
1.発症の 7 日以内に抗精神病投与を受けている事(デポ剤の場合 2-4 週間以内)
2.38.0℃以上の発熱
3.筋強剛
4.次の中から 5 徴候
 1)精神状態の変化
 2)頻脈
 3)高血圧あるいは低血圧
 4)頻呼吸あるいは低酸素症
 5)発汗あるいは流涎
 6)振戦
 7)尿失禁
 8)CK 上昇あるいはミオグロブリン尿
 9)白血球増多
 10)代謝性アシドーシス
5.他の薬剤の影響、他の全身性疾患や神経精神疾患を除外できる

 

後者は、

以下の大症状の 3 項目を満たす、または大症状の 2 項目+小症状の 4 項目を満たせば確定診断
大症状
 1)発熱
 2)筋強剛
 3)血清 CK の上昇
小症状
 1)頻脈
 2)血圧の異常
 3)頻呼吸
 4)意識変容
 5)発汗過多
 6)白血球増多

というものです。

 

冒頭に紹介した本によれば、

 

.高熱、意識障害があるか?

2.抗精神病薬の服用歴はあるか?

3.筋強剛はあるか?

4.Caroffらの診断基準に当てはめてみる

5.当てはまらない場合、Levensonの診断基準に当てはめてみる。

 

とチェックしていけば、デキる、と思われるらしい。

 

しかし、抗精神病薬の服用患者では、意識障害ははっきり評価できない場合も多いです。

そこで、このような患者は熱発した場合、筋強剛を見ておいたほうがよいです。

 

というわけで、せっせと肘の固さを確かめている私。。。