ナツメグ (Myristica fragrans)
ナツメグはインドネシアのマラッカ諸島が原産で,淡黄色の果実のなかの核の部分がスパイスとして利用されます。メースと呼ばれる核を覆う網目状の外皮も乾燥させてスパイスとして用いられますが、核よりもマイルドな味わいです。ナツメグはすりおろしたり、すりつぶしてスープ、ベシャメル、ペストリーに加え風味を与えます。古典的なハーバルレメディーでは、ナツメグには抗リウマチ作用と抗気管支作用があると考えられています。中医学では、肉豆蔻と呼ばれ、収れん薬とされています。ナツメグは辛味を持ち、脾臓、胃、大腸の経絡を通じ、内臓や経絡を温める影響を与えるとされます。。身体の中を温めることで気を促進し、食欲を促して、腸を引き締め、下痢を和らげる効果があるので、気が不足し身体が寒く冷え、さらに気が停滞しているときにあらわれる腹部膨満、疼痛、食事不足、嘔吐、慢性の下痢などの症状の際に処方されます。ただし、ナツメグの摂取量には注意が必要です。ナツメグ 10g を摂取すると、摂取後 2 ~ 4 日で軽度の麻薬中毒状態を引き起こす可能性があります。この状態は、吐き気、不安、脱水症状、心拍数の増加によって現れます。大量の過剰摂取の場合、死に至る可能性もあります。