西洋の肖像画が写真にとって代ったように、

時代と技術革新があってもノスタルジーがあるように、今は王侯貴族ではなく、

一般市民が真似事をするようになった。

 

         日本画の花鳥風月のように根強い人気は、

情報を誰もが共有できる現代の激動の時代にも生き続けている不思議さは、

生き方、好みの多様化の時代でもあるということ言えなくもない。

樋口正一郎 「メッセージの表現」2022 545x720mm アクリル絵具

 

樋口正一郎 「メッセージの表現」2022 545x720mm アクリル絵具

 

樋口正一郎 「メッセージの表現」2022 545x720mm アクリル絵具

 

樋口正一郎 「メッセージの表現」2022 790x1090(B全判)mm アクリル絵具

 

         憩いや安寧、救いを求める時代というある種の象徴としてあくまで受け身で

保守的な姿勢の表われなのだろう。しかし、問題山積みの現実に対して、

打ち破るメッセージを表現する方向を私は採る。

まず人が抱え、社会への期待とは反対に、

社会や組織からの圧力などに対して、解決する具体的な方法や道筋などを漠然としていても、

どんな人でも何らかの表現をすべきであると思っている。

 

     最初はそれぞれの人の顔と口あるいは、ボディメッセージとも言えるものでも、

平気で並べ表現すべき時だ。

     次には一人のメーッセージが他の人に反応し、

メッセージが重なったり共有したり、反発したりもする。

     他のメッセージに圧力をかける独裁主義や思想統制など起こさないためにも、

誰もがメッセージを発することが最低限、自由で民主主義にとっては必要なことだ。