丸窓に雨が打ちつける。雨は雫となって流れ落ちる。
仮に地球を投影した平面図に雨が吹き付ける。
雨は川となって巨大な円盤の縁から滝となって宇宙に落下する。
イメージはこういった作戦だったが、円形の絵具の集積から、実際は滴り落ちるだけだ。
樋口正一郎 地球の雨と雫⓵ 2022 紙、アクリル絵具
もう一つの表現のテーマは
地球にしがみついて生きる人間の歓喜の泪を実態と量を実測したかったのである。
樋口正一郎 地球の雨と雫② 2022 紙、アクリル絵具
人との交わり、人や事物の関係、人は様々な関係を通じて、
世界を知り、自己を知る。地球との関係も理解しあえたらと思っている。
もっとも、地球を破壊し落胆の悔し涙を流すのは、地球ばかりなのである。
樋口正一郎 地球の雨と雫③ 2022 紙、アクリル絵具
しかし、人類はいつの日か、ツケががやってくるのに怯える人たちもいる。
人類の野放図な裏切り行為と虐待は、
まず人類同胞に向かっていつの時代もなされてきた。
そして神である地球をも征服しようとする。
人類とは野蛮そのものであり、何千年という時を経ても人類の本質なのである。
地球を破壊しつくし、地球に住めなくなってやっと知る。


