アルミの園芸用針金とパテを使って、
18cmx23cmのベニヤパネルに制作を進める。
コイル状に丸めた針金の上からパテをパテベラを使って全体を覆うように塗る。
今回は一番高いところで10m/m~15m/mの厚さになった。
3~4日乾燥させ、パテの上と下側につくっておいた紐解用の端を少しづつ引っ張る。
樋口正一郎「復元」2021 大きさ:180x230mm
樋口正一郎「糸口」2021 大きさ:180x230mm
樋口正一郎「 」2021 大きさ:180x230mm
互いに絶望的なほど距離のある、あるいは水と油ほど異質感、
そして長い間の誤解と屈辱、余りの世界の異なる妥協点は見つけることができるのか。
真っ暗な迷宮の中、手探りで見つける努力が少しでも遂行されて来たのか。
私は2本の針金をパテで埋められた暗闇から白日の下に引きずり出し、
まずは原初に戻すべく復元しようとした。しかし、様々な問題が破壊と軋轢によって果てしなく、
収拾のとれない程バラバラの事態になった。
BLM問題は「色」の問題だけでなく
、民族、宗教などとは単純に共存できるのではないか。
EUの各都市とはアメリカは異なって見える。
アメリカの場合、かつての奴隷制度が今も尾を引いているとしか思えない。
マーティン・ルサー・キングが出るまで、
差別はアメリカ社会では当然のこととして容認してきた。
KKKなどの集団を見るまでもなく、
奴隷制度は民主主義国家としては「まずい」という表向けのポーズだけでなく、
裏の顔が見えるのだ。
この問題を払拭するには何世紀もかかる。
あるいは、アメリカ社会が黒人の犠牲の下、楽しんだツケを払い終わる前に、
アメリカ社会は分裂崩壊するのかもしれない。