個人にとっては成長とは可能性と能力の拡大である。

国にとっても成長は同様である。

地球上の可能な資源の開発は段々限界点が見えるようになった。

というより、21世紀になって、可能性より問題点、成長そのものが問題になってきた。

人類の成長指向が矛盾なのである。

成長が個人も国も食い合い害を与える。

破滅しかねない「ハーメル笛吹き男」のねずみ状態なのか。

 

                 38x54cmの紙にアクリル絵具を使って、まず単純な構成で始めた。

人間も集団になり、国も権力が集中しだすと、

欲望はもっと大きな権力、金が巨大化する。ついつい大風呂敷になる。

特に効率社会では、最短時間と無理な集約による民主主義とルールを無視した行為が

まかり通るようになる。

 

 

                しかし、そういった弊害にもう一度原点に戻ることは、

人類はしないDNAなのだ。万が一、仮に原点に戻ることがあったとしても、

そうすることに複雑なからくりで利益を考えている悪知恵と腹の裏が透けて見えても、

人間が集団生活するようのになって以来、皮肉なことだが、権力者にとっては成果と言える。

 

                帝国主義国家が20世紀の産物とすれば、

巨大企業による、人類および国を食い物のようにするのが21世紀なのである。

20世紀までに人類が築いてきた自由な資本主義のルールが結果として、

人類のためではなく、国際的な企業にとってのものになっている。

 

               便利さと引き換えに、国も企業も都合の悪いものには蓋、

そして白く塗りつぶし、痕跡を無いものとして、新たな白粉と化粧で別人格として出発する。