最近、特攻隊と人間魚雷・回天「出口のない海」の映画を見た。

写真webより

 

太平洋戦争末期、大学に通う人たちが学徒出陣で、

優秀だからこそ選抜されて死に赴く。国家のため、家族と自分の名誉のための葛藤。

 

       EU統合の前後、ヨーロッパには足繁く通った。

特に、自由主義国から社会主義国、西ドイツ・ハノーバーから鉄道で西ベルリンへ。

その間、東ドイツの見知らぬ小さな駅で停車し、

カーキ色の警官のパスポートチェックの時は、

映画大脱走の列車でフランス人を装っていた集団脱走の筋がね入りのリーダーのロジャーと

彼の参謀役の語学の達人マックがつい不用意にサンキューと言い

身元がばれるシーンのように緊張した。

 

        ベルリンが統一した後も、かつての「ベルリンの壁」があった

ポツダム広場駅周辺を地下鉄Uバーンや 近郊列車Sバーンで通る時は、

映画の刷リ込みがあったせいか、映画の脱走中の乗客の気分だった。

 

        特攻隊や回天の隊員の国家との絶対的絆とは

何だったろうかとずっと考えている。

ベルリンのチェックポイントチャーリーには壁を越えようとして

射殺された人々の十字架がたくさん顔写真入りの名前と一緒に並んでいる。

命を賭して自由を手に入れようとした行為と

日本では負ける戦争に身を捧げるという状況の中で、

無駄死にと分かっていても逃げない、逃げられない根拠は何か。

 

        そして現在の香港の人々はカナダや台湾

そしてイギリスに移住しているという。

EU統合に興味を持ったのは国境が消え、自由な往来と生活ができること。

住みたい場所、国家を誰もが選べること。

つまり国家と各個人が対等の立場になることに最大の魅力を感じたものだ。

 

        経済成長しか国家のヴィジョンがなく、

島国であり侵略を受けなかっただけのアイデンティの国が、

万一有事をきっかけに徴兵制が始まった時、

自由を謳歌している若者たちはどんな行動を取るのだろうか