茨城県の西端、栃木県との交点に近い境町に、隈研吾設計の道の駅さかいと

喫茶店・茶蔵を見に行ってきた。

茨城県は水戸市を代表する保守王国。かつて東京に近く、利根川の水運を使った米などの

食料供給で栄えたが、米の需要も減り、魅力のない県のワーストを長く「堅持」してきた。

 

 

 

 

 

 

       活性化と魅力づくりに取り組んだのは近隣の埼玉県の大宮市や浦和市、栃木県の

宇都宮市といった産業や文化政策のアピール力の影響を受けてきたのだろう。

       面白いことに、栃木県の小山市に近い筑西市には、

先日訪れたザ・ヒロサワ・シティの廣澤美術館も

隈研吾の設計である。こちらは美術館と庭園が主で、気持ちのいい環境で

美術愛好家でなくても訪れる価値は十分ある。

 

 

           隈研吾の設計の特長は風や空気の流れに、自分の体を同調させ、

たゆたうリラクゼーション感をやさしくデザインしている。物質的にも構造的にも威圧するような

表現とは正反対で、インスタレーションのような、仮設的で開放的。

一瞬風が吹き抜けると、あとかたもなく消え失せるような、

ある種のイリュージョンを引き出すような演出に思える。

 

            世界の動きから取り残された茨城県。かつて、常陸太田市周辺での

クリストのアンブレラで世界中から人が訪れ、昔ながらの茨城県北部の自然と集落の美しさに

酔いしれたのだが、その記憶も忘れ去られるほど動きはなかった。

 

やっと灯った境町の灯を各市町村で点灯して欲しい。

茨城県中がソーラーパネルに覆われるのだけは勘弁願いたい。