穴あき合板を使って世界を構築しようという試みである。
穴あき合板は木目プリント、白や黒、シナベニヤ、コルク、ラワンなど
様々な種類、そして穴の大きさも大中小、規則的であったり、
自分の穿ったアトランダムな穴などと変化をつけ、
個人や都市、国などの集合体、地球を形成しようとした。
しかし、現在、各民族それぞれどこに向かおうとしているのか、
風になびく旗のように成り行き任せ。
人類文明は構築するのとは反対に、破壊することにエネルギーを費やしてきた。
作品は表と裏が同居あるいは連続する展開ができないかと考えた。
その表現には合板に穴をあけ、
表と裏を空間として繋げ、表裏を一体化させることをイメージした。
作ってみて、穴を通して点々とした光と影と造形とのコラボは
表と裏の関係すらも消える。
美術上の進化、変革には興味はない。
建築が都市や社会体制に方向性や指針をあたえるようなパワーを
造形作品も示せれなければサバイバルできなくなった。
ここでは表と裏に空気を行き来させ、同次元にすること。
つまり、世界中の人々が平等に好きなだけ空気を吸うように
自由になることがテーマである。

