人間関係もしかり、あらゆるものが相対的な関係で決まる。

私の表現の大きな関心は「ものの見え方」。

自作品積層」は三角や四角の2.3mm厚みのベニヤにパテで極力平らにし、

それぞれ少しズラして接着したものをパネルに接着する。

基本的には、全体が真っ白、縁には影ができ立体感もできる。

 

   次はそれぞれの板の縁をアクリ絵具で縁取りのように塗る。

板が終わったら、パネルにフェイクの縁取りをした。

積層した板はレリーフ状になって厚みや重さを感じさせるものだったが、

アクリル絵具による縁取りをすると天板部が穴が開いたように見える。

縁取りのアクリル絵具のラインが束になって、

見る正面に圧力となって迫ってくるからだろうか。

 

その効果が反対に、白い空白が相対的に無限の奥行となって見えてしまうのかもしれない。

 

      パネル上のラインは、色が違っても焦点距離が一定で、

積層した部分とは似ていて非なる見え方に戸惑うのだ。

その空間の見え方のズレによって、

日常の落とし穴に嵌まることができたら嬉しい。