異次元への旅を夢みながら、せいぜい小さな非現実にしか飛躍できない日常生活。
これは、心躍るプラスの話で、通常はネガティブな落とし穴に嵌る悪夢が願わなくても起こる。
断絶とはあらゆるコミュニケーションが絶たれること、最終の関係。
人間では、生命が尽き、物体になること。
国同士で言えば、戦争は互いにメッセージを投げかけている段階であり、
ホロコーストや原爆投下は断絶だったと言える。
3.11の映像をTVで見たとき、思考やあらゆる手立てが停止し、
人間としての最低の動きすら忘れていた。
なすすべのない圧倒的パワーの差に、
個人も地域社会環境もすべての存在が空白となり、断絶を体感した。
作品「渦」2018 by 樋口正一郎
825x875mm アクリル絵具 MFD ボード (c)S.Higuchi
作品「兆し」2018 by 樋口正一郎
1115x1220mm アクリル絵具、MDFボード (c)S.Higuchi
写真の作品はこの頃に試みた最初の2点。
私の表現の原点は「社会や世界どのような関係を結ぶか」から出発している。
自身は世界のフィルターであり、
単純に具体的な提案になりにくいが、あるべき理想の姿をアプローチは続けている。

