アメリカがあらゆる分野での超大国であったのはすでに過去の話。

80年代以後、景気の後退に伴い軍事以外影が薄くなった。

 

新世紀、ミレニアム事業で都市の大改造に沸き立ったイギリスのような動きとは対照的だった。

特に文化、なかでも建築や美術に関しては、他の追従を許さないレベルとプライドで

すべてを自前でこなすだけでなく、世界に覇権を押しつけてきたアメリカは

建築家フランク・ゲーリーとジェフ・クーンの後のスターの供給が止まったまま。

 

チェンジと前進がエネルギーのアメリカが唯我独尊、

裸の王様にやっと気づき、正反対に方向転換を始めた。

外国人の力を借りるというより、今までの鎖国状態がやっと解禁されたと思えるほどだ。

 

シカゴのインド系イギリス人のアニッシュ・カプーアの「クラウド」と

NYCのこれまたイギリス人のヘザウィックの「ベセル」は強烈だった

(2018年2月17日ブログにて既報)

 

シカゴのカプアの「クラウド」と

NYCのその他の建築については改めてリポートする予定。

 

昔、愚かにも「眠れる獅子」中国を起こし、

その結果、日本がボロボロになって敗戦したのとは真逆。

 

アメリカは弱点を補うピンチヒッターを起用し、逆転満塁ホームランを打たせた。

あらゆる手段を使ってでも、自分の手柄にする「度量」をいまだに失っていなかった。

 

フィンランド生まれのエーロ・サーリネンの「ゲートウェイアーチ」(1965年)

 

 

(写真は自著:アメリカ50都市の環境彫刻 P1614より)

 

そして「クライスラービル」(1930年)に並ぶアメリカ文化の金字塔が繋がった。

 

それにしても上海万博で英国館(愛称:たんぽぽ)

シンガポールの南洋理工大学の「ラーニングラボ」の2点で、天才を見抜き

 

トーマス・ヘザウィック「南洋理工大学/「ラーニングラボ」 (c) S.Higuchi

 

トーマス・ヘザウィック「南洋理工大学/「ラーニングラボ」 (c) S.Higuchi

 

トーマス・ヘザウィック「南洋理工大学/「ラーニングラボ」 (c) S.Higuchi

 

アメリカ文化の、現在と未来を託し、賭けた姿勢に

国としての成長と可能性の持続を確認し、少なからずホッとした。