★今後、Hot Generationでは、創立21年目を記念し『生きてきた証シリーズ』として、メンバーの体験エッセイを随時掲載して参ります❣️

本日、第1弾として自閉症の歌姫、奇跡の歌声…と称されHot Generationのミュージカル主演、自身のソロコンサートなどで活躍する、神谷たえさんの母・神谷光代さんのエッセイが連載スタート致します。

自閉症の娘を支えながら歩んだ奮闘記を中心に、ミュージカルの舞台に立つまでの様々なエピソードや、舞台の裏側など、お届けする予定です。
※エッセイの掲載は、不定期。随時の掲載となります。



【生きてきた証・神谷たえ母娘編・1】


♦️きっと夢は叶うから〜ネバーギブアップ〜


ホットジェネレーションが21周年を迎えた今年、新型コロナウイルス感染拡大により、5月公演は中止となり、レッスンも出来ない状況になりました。
そんな中、家で黙々とピアノの練習をしているたえを見ながら、自閉症との闘いや、鳥居先生との出逢い、駆け抜けてきた年月を思い返しています。

たえが普通とは違うと思い始めたのは、歩きはじめ、言葉が出だした頃でした。
片時もじっとしていず、棚のものは落とす、クッションや布団はカバーが掛かっていると全部外す。
直しても直しても同じことの繰り返し。
言葉も語彙が一向に増えず、意味不明な繰り返し。
でも、不思議な事にアニメの言葉は効果音まですぐに暗記し、お姉ちゃんとセリフのやり取りはするのに、実際の会話はまるで出来ませんでした。
言葉を言葉として認識せず、効果音と同じように音として記憶している。
まるで人間テープレコーダーでした。

近所に買い物に行くのも大変でした。
信号で止まれない、道を後戻りや迂回出来ない、スーパーでは丸い物や光る物を手当たり次第つかむ。
思い通りにならないと所構わずひっくり返って泣き叫び、そのたびに、引きずったり抱えたりして這々の体で帰ってくる始末でした。

乗り物でもドアが開くたびに降りようとし、止めると大声で泣き叫び、車内アナウンスの声も聞こえず、まわりから白い眼で見られたり、迷惑だから降りろと怒鳴られる事もありました。

毎日がパニックのとの闘いでヘトヘトでした。
そして、この声量がミュージカルで生かせるとは、この時は思いもよりませんでした。

〜つづく〜


神谷たえさん



【神谷光代さん・プロフィール】

東京都出身。
劇団若草、TTA(黒沢良アテレコ教室)を経て江崎プロダクション所属(マウスプロモーションの前身)
主に声優として活動。
31才で長女、34才で次女(たえ)を出産。
以降 子育てに専念し、自閉症の子育てに関する講演や原稿を執筆。夫は声優の神谷明氏。

※神谷光代さんのエッセイは、不定期に、随時掲載となります。


【神谷たえ・プロフィール】

東京都出身。
自閉症(知的障害を伴う脳の発達障がい)のため、3才から18才まで療育機関に通いながら、養護学校高等部を卒業。
9歳の時にホットジェネレーション代表、鳥居メイ子と出会い、芸術の世界で才能を開花。ホットジェネレーション・オリジナルミュージカル『シャイン』『リーダーズ』『Power』などで主演を努める傍ら、ソロコンサート・イベントにも数多く出演。
障がいに、負けない歌声と生き様は、日テレ『ニュースエブリィ』ミュージカル専門誌、朝日・毎日・東京新聞など数多くのメディアに取り上げられ、〝勇気と希望〟を贈り続けている。声優・神谷明氏の次女。