僕は知らないが、足枕というものがあるらしい。
足に敷くとフワフワして気持ちが良いとのことだ。
この前の土日、家内と高知に帰郷した。
祖母の七回忌の法事に。
父が用事で出て行った隙に、母が僕と家内にこの足枕の話を始めた。
父に足枕つくってあげたら喜こんでね、と。
ほほえましい話なんだな、と家内と二人で聞いていた。
ところが雲行きが怪しい。
ある日酒に酔った父が、深夜に帰宅して寝ている母の顔にこの足枕を何度も投げつけた。
母が怒って止めても、父ははしゃぎながら何度も何度も足枕を投げ続け、やがて疲れた子供のように眠ったとのことだ。
業(ごう)を煮やした母は、翌朝その足枕をゴミに出した。
酩酊だった父は、その出来事を全く覚えてない。
「足枕どっかで見なかったぁ?」
と何度も母に尋ねる。が、母は「知らん」と口を閉じて黙りを決め込んでいるとのことだ。
高知からの帰路、車の中で家内とその話を思い出して笑った。
僕の酒癖が悪いのも親譲りだ、という展開になった矢先に家内がポツリ。
「あたしやったら足枕と一緒にあんともゴミにだすんやけどな。あはは」
僕はゴクリと息をのんだ。
こ、こいつならほんまにやりかねん。
今年で結婚三十年。熟年夫婦のとば口に立ったばかりの僕に、両親の足枕の一件は警告のように脳裏に焼き付いたのである。
そう、いつまでも鮎釣りを続けたければ、家内を大切にすべし、だ。
久しぶりの帰郷。
この日も親父は森林鉄道を運転していた・・のだが。
土佐のさわち料理はやっぱり最高。
生まれ変わったら、バニーマニロウみたいな男前になりたいっちゃ。
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