Sの悲劇 | 鮎釣り師のひとり言

鮎釣り師のひとり言

鮎釣り師ガバチャの綴る悲喜こもごもな日常。
聞いてやってください。

 奈良の大仏様。
 直ぐそばの柱の穴を通り抜けると幸せになれるという。
 この穴を通り抜けようとしたおばさんが途中で引っかかって皆に引っ張り出されたという話を聞いたことがある。

 ところ変わって香川県の高松市。
 ボクが友人のS君の実家に遊びに行った時の話だ。

 特に見るところもないが近くに神社があると言うので行ってみた。そこに石でできた大仏様の柱と似たようなものがあった。
 やな予感ガーン

「久しぶりに抜けてみるか」とS君ニタリ。
 ボクはS君の太鼓腹を見てとがめたが、S君ためらうことなく腹這いになって四角い穴に頭から突入。

 芋虫のようにモゾモゾはいずる。うなりながらなんとかお腹の所まで突入した時、ぴたりと動きが止まった
 ヒィ~とS君。息はできるかと訊くとウンとだけ答える。うつむいたまま顔も回せない。

 ボクはS君のジャンパーを脱がそうとした。が、知恵の輪みたいになってよけい変になる。足の方から引っ張るもビクともしない。反対に回ってバンザイ状態の両手をちぎれるぐらい引っ張ると、うわぁっと言ってチョット動いた。が、今度はベルトの所に引っかかって止まった。

 なんかの拷問のようにS君の顔がゆがむ
 慌ててボクはS君のベルトを緩めズボンを脱がせた。ボクはS君の両手を渾身の力で引っ張った。

「う~ん、しあわせにぃ、しあわせにぃ~いーっ」
 と言いながらボクもS君も半泣きだ。
 無理矢理、何とかかんとか抜けた。

 息を切ってへちゃりこむボク。下半身泥だらけのパンツ一丁でうなだれるS君しょぼん
 一種の荒行を終えたような脱力感の中、人生そう易々と幸せはゲットできないと力尽きたS君を慰めた。





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