華原朋美「tumblin' dice」 | へーさんのCD棚~リサイクルマークはエコマーク

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持っているCDの中で、あ、いいなという曲(たぶんアイドルポップスがメインになると思います。)をのんびり書いていこうと思います。

ども。へーさんです。少しだけ涼しくなりました。昨日は秋分の日だったので、“暑さ寒さも彼岸まで”は本当だったんですね。まぁ祝日が土曜日と重なって少し損した気分になったのは内緒です。そんな所で1631曲目。

 

 

 

 

 

 

華原朋美「tumblin' dice」

画像は収録の『Natural Breeze~KAHALA BEST 1998―2002~』

 

 

 

90年代に一世を風靡して社会現象を巻き起こした華原さんの11枚目のシングル曲。小室哲哉さんプロデュースの末期にあたる曲になります。

 

 

 

マイナーアップのナンバーに言葉数の多い歌詞を乗せて、速射砲のように歌っている曲、なんですが、とにかく聞いていると心がザワザワすると言うか、すごく不安定な気持ちにさせる曲です。

 

 

 

で、何がそんなに不安定なのか、と考えてみます。もちろんマイナー調+速いテンポもその一因ですし、突然意味不明の展開を見せる歌詞(後述)、あと引っ掻くような音が随所に聞こえるバックトラックなどもそうですが、やっぱり一番大きいのは華原さんの歌い方なんだと思います。

 

 

 

華原さんはビブラートを大げさに思えるほど強調するような歌い方が特徴です。音取りが多少甘くても、そのビブラートで壮大な感じや、心を直接揺さぶるような感動を与えられるボーカリストの一人だと思います。でもこの曲はメロディが細かく動くため、そのビブラートを入れられる所が少ない気がします。そこに華原さんが頑張って無理やりビブラートを入れようとしているので、なんかぐメロディがグワングワンしているように聞こえているのかな、と思いました。

 

 

 

で、歌詞ですが、「tumblin' dice」とは“サイコロを転がす”という意味で、なかなか思い通りにいかない出来事を、運任せのサイコロに例えているような感じでしょうか。それでも自分の人生として、私はいつまでも付き合っていかなければならない、という内容は理解できるし、とてもまっとうな思考です。

 

 

 

ただ、♪ダイスをころがして 1から6を願って いったいどれだけ思いどおりになる?~ という教訓めいたフレーズから、♪1は煙突 2はアヒルで 3はなんだったっけ?~ と続く展開は、やっぱり狂気の沙汰だと思うのですよ。いやはやすごいの一言です。あと♪がらくたに見えたって~ からの一連の歌詞は、ちょっと依存度が高すぎる気がしますし、地味に♪冷蔵庫むぞうさに 開けてみてまた閉めて~ もちょっと怖いです。

 

 

 

公私ともにパートナーだった小室さんと華原さんの関係が壊れかけていたのが、楽曲に表れ始めたのではないか、とも見えますが、実はギターのフレーズとかはすごく小室さんぽいし、サビから一回メジャー調になってAメロにまたマイナー調に戻る、みたいな変な転調も小室さんの曲にはありがちのような気もするので、手を抜いているわけではないような気もします。「Hate tell a lie」と似たようなタイプの曲ではあるし。

 

 

 

一ついうとしたら、これは「daily news」の時も書いたのですが、明らかに歌い慣れていないテイクをCDにしてるのではないか、という事です。その後のライブ映像などではちゃんと歌えているので。とはいえ、あのギリギリの緊張感を封じ込めたような曲として、別のエネルギーを持った楽曲になっていると思います。怖いくらいの切迫感はあの頃の華原さんだけしか出せないのではないでしょうか。

 

 

 

「tumblin' dice」華原朋美

 

作詞:小室哲哉

作曲:小室哲哉

編曲:小室哲哉