外出自粛がさらに1ヶ月続きそうな勢いですね・・。塾や学校の態勢はどうなるのか??

こんな時こそライバルに差をつけよう、みたいな言い方もあちこちで目にしますが、そもそもこの受験産業に特徴的な「人を出し抜く」「人に差をつける」「人を蹴落とす」みたいな発想、わたしは嫌いです。

そういう発想って、こんな時だからこそ人の弱みにつけこんでやろう、弱っている人から毟り取って自分だけは儲けてやろう、自分だけは得をしよう、みたいな詐欺商法とか汚職政治家とかに直結しません?

いや、世の中そもそもそういうふうにできてるんだから、幼い頃から「人を出し抜く」姿勢を身につけておかないといけないという人もいらっしゃると思います。まぁ、そういう人を「間違ってる」と決めつけるつもりはありません。遊びとかゲームとかスポーツとかで、「人の動向を窺って人を出し抜く」「敵の弱みを突く」みたいな要素は必ずあるし、それも生きることの一部だとは思います。

でもやっぱり、こんな非常時に必要なのは、世界のあちこちで言われている、英語で言えば「solidarity」「連帯」だと思うんですよね。この言葉、日本語の「一丸となって」みたいな言葉とはニュアンスが違ってて、それぞれ一人ひとり個として独立しながら、共通の目的、共通の利益にむけて、横並びで繋がって協力しようみたいな感じです。それぞれ自分のできることを考えて連帯する。

自分のできることを、他者を蹴落としたり他者から毟り取ったりするために使うんじゃなくて、他者を助けるために使う。今こそ。・・綺麗事かもしれませんが。

でも、例えば東日本大震災だったらすぐ現地へボランティアに飛んでった人も、今は何もできなくて辛い思いでいるかもしれない。いまのコロナ禍ではいわゆるエッセンシャルワーカーの人たちや医療従事者以外、自分のできることって限られてきちゃうんですよね。

その場合も、「自分のできること」をしっかり見つめ直して、その「自分を豊かにする」ことを考えればどうかと思います。大人も子どもも。

勉強も「ライバルに差をつける」ではなく、いま自分のできること、やっておきたいことをしっかり考え「自分を豊かにする」ためにする。普段できない長篇の読書とか、ネット配信の映画や教材で教養つけるとか、身の回りのことを丁寧にやってみるとか、ふだんテキストのかたちでしか学んでいないものを実地で経験してみるとか、いろいろできるやん。むしろ大人の方が仕事のことや家計のことなどいろいろ不安も多く、何かやろうと思っても手につかないことが多いかもしれませんが、子どもには、この時こその貴重な経験をさせてあげたいです。