先日グレタさんのことを書いてから、実生活でもいろんな人の感想を聞き、SNSでもいろんな意見を見て、あまりに、あまりにも違和感覚えたので、どこに書こうと迷った結果、ここに書きます。

というのは、「あれは大人に(親に/周辺の左翼に)操られているのだ」とか、果ては「背後で大金が動いているのだ」とか、そういう感想があまりに多かったからです。

そういうふうに言ってる人、みなさん、自分の16歳のときのこと、覚えてますか?

親の言うことなんか聞きました? むしろ14歳ぐらいから先は、親の言うことと逆のことやってませんでした?

これが、たとえば9歳とか10歳とかあるいはそれ以下の年齢の子どもならば、わたしも「あ〜あ、親の価値観残らず内面化しちゃって・・」と思うかもしれません。実際にそういう子ども(申し訳ないけどすこしヤな感じ)は、よく目にしますから。

でも16歳ですよ!16歳。たとえば、はるか昔になりますが、全共闘など学生運動華やかなりし頃、高校生で活動してた人いっぱいいたじゃないですか。誰とは言わないけどその後政治家になって今も活躍してる人もいるじゃないですか!

そりゃ、グレタさんの場合、一人だけの孤独な闘いだったはずが、思いがけなくメディアの注目を浴び、あちこち目立つところへ引っ張り出され、挙句は国連なんて国際的にいちばん晴れがましいところで晒される羽目になり・・と、いわば「世代闘争」たる「環境問題」の象徴として祭りあげられてしまった面はあるかもしれません。きっと本人の意向を超えたところで、そういう流れになってしまったのでしょう。(それをネタにちゃっかりお金儲けしている大人だってきっといるでしょう。)でもグレタさんは、賢明にもそれを察知し、勇敢にも自ら「象徴」となることを引き受けて、そのスタンスからメッセージを発しているのではないかと思います。ちょうどマララ・ユスフザイさんが、本人としては絶対にそんな目には遭いたくなかったはずのもの凄い厄災に遭遇する羽目になり、そのことをきっかけに、ある「象徴」となることを引き受けざるを得なくなってしまったことと同じように。マララさんも、賢明にも勇敢にもそれを引き受けて、みごとにその役割を果たしているところが感動的だし、今回のグレタさんも、そういうところが見事なんだと思います。

香港の若者たちのリーダーである周庭(アグネス・チョウ)さんにしたって、まだ22歳ですぜ。リーダーとか象徴とかになるひとって、もちろんその人の資質もあるけど、なんだか思いがけない縁とか機運とかがあって、それを引き受けるだけの機転と度胸があるからこそ、そうなるんだと思います。アグネスさんの場合は20歳超えてるから「親に操られてる」とは言われないんですか? (でも、そういえばアグネスさんは5年前の雨傘運動のときは17歳の高校生ですよね?)

年齢とか関係なく、人間幾つになっても、もっと中年、老年になってさえ、変な宗教や思想にマインドコントロールされて、操られてる人も多いと思いますが・・。