雨竜町から1時間かけて美唄市(びばいし)の
山里にある安田侃(かん)彫刻美術館
「アルテピアッツァ美唄」へ。
アルテピアッツァはイタリア語で「芸術の広場」の意。
駐車場に車を停めて、美術館の入口へ。
美唄市は、石炭産業とともに発展し、
1950年代には90,000人を超える人が生活をしていたが、
1972年の炭鉱閉山後は衰退の道をたどり、
今や人口は18,000人まで減少。
ここ旧栄小学校は、炭鉱住宅を校区とし、
1954年には1,250人もの児童がいたが、
1981年に廃校となった。
当時の校舎やグラウンドを活用して、
美唄出身の彫刻家「安田侃」の作品を収蔵する
美術館が1992年に誕生したのだ。
日本遺産に認定されている「本邦国策を北海道に観よ!
~北の産業革命「炭鉄港」~」の
コンテンツの1つである。
炭鉄港とは、近代日本の発展を支えた
炭鉱・鉄道・港のことである。
広い敷地の中、彫刻作品が絶妙に配置されている。
草木の新緑と青空のコントラストが作品を引き立たたせている。
どこを見渡しても、絵葉書のようだ。
赤い屋根の木造の校舎が旧栄小学校。
玄関に入ると、入館料を徴収するための受付や職員はいない。
入館は無料であり、当館を維持するための
寄付金投入箱だけが置かれている。
校舎内の作品を見て戻ってきた際に、若干の寄付をさせていただいた。
校内は清掃が行き届いている。
廊下や教室には多くの作品が展示されている。
いかにも安田侃らしい作品だが、なぜか安心感がある。
古い木造校舎の中にいると、
半世紀前に通っていた田舎の小学校を思い出す。
自分が子どもの頃にタイムスリップしたような気持ちになる。
教室の一つが売店になっていた。
絵葉書やクリアファイル、冊子、
ホワイトゴールド製の安田作品模型なども販売していた。
この売上の一部は恐らく施設維持に充てられるのだろうと
思い込み、400円のクリアファイルを購入した。
体育館にも彼の作品が展示されている。
窓からの木漏れ日が郷愁をそそる。
ここから車で数分の森の中にあるカフェ「アルテ」も
アルテピアッツァの一部となっている。
カフェの周辺にはやはり彼の彫刻作品がいくつかあった。
喉も乾いたのでカフェに入る。
窓辺のカウンターに座り、アップルタイザーを注文。
りんごの酸味と炭酸が癒してくれた。
空知地方を巡る車中泊旅もいよいよ最終盤へ。