私は運動が苦手だが、スポーツ観戦は好きだ。
高校野球も楽しみの一つで、
暇さえあればインターネットで地区大会の無料ライブを見ている。
特に今夏の南北海道大会は、ベスト4のチームにそれぞれ好投手が揃ったので、
久しぶりに円山球場で準決勝2試合を観戦してきた。
この日は、朝から少し暑かったものの、曇り空で絶好の観戦日和だった。
無職の分際で野球を見に行くと言えば、嫁さんに嫌味を言われるに違いないので、
行先はを告げずに用を足してくるとだけ言って家を出た。
地下鉄の円山公園駅で下車し、
北海道神宮の敷地を通って約15分ほど歩いて球場に着いた。
入口で検温と手指消毒を済ませ、
700円の入場券と500円のプログラムを買った。
プログラムには、北北海道大会と南北海道大会に出場した
代表32チームの選手の写真やプロフィール、歴代優勝校などが掲載されていた。
私は、3塁側のバックネットの切れ目付近に陣取った。
試合開始の30分くらい前だったが、
観客席(内野)は埋まりつつあった。
グランドでは、第1試合に出場する選手たちが守備練習をしていた。
1塁側は先攻の東海大札幌、
私がいる3塁側は後攻の知内だ。
私は全校生徒163人の町立高校・知内を応援することにした。
知内のプロ注目左腕、坂本投手の一投で10時過ぎに試合が始まった。
東海大札幌は、唐川投手が先発したが初回に1点を失い、
3回途中からはプロ注目左腕の門別投手が登板した。
痺れる投手戦となったが、坂本投手が9回を7安打1失点に抑え、
知内高校が2対1で勝利し、初の決勝戦に駒を進めた。
第2試合が始まる13時20分まで、少し時間が空いたので昼食をとった。
スーパーで買ってきた20%引きのパンだけでは足りなかったので、
球場の売店でフランクフルトを1本買って食べた。旨かった。
次は、札幌大谷と苫小牧中央の対戦だ。
こちらは、札幌大谷が森谷投手の力投と打線がかみ合い、
苫小牧中央のプロ注目右腕・斉藤投手らを打ち崩し、
10対2の8回コールドゲームで圧勝し、決勝戦に進んだ。
どちらも見ごたえがある試合だった。
彼らの全力プレーには、胸を熱くさせられた。
札幌大谷のブラスバンドやチアリーダー、生徒たちの応援も迫力があった。
感動を胸に何食わぬ顔で帰宅した私に嫁さんは言った。
「円山球場に行ってたね。テレビにしっかり映っていたよ」
あちゃー。まさか高校野球に興味がない彼女がテレビを観るとは計算外だった。
しかも、私が家を出る時点で既にバレていたそうだ。彼女には叶わない!!
翌日の決勝戦は、テレビで観戦した。
札幌大谷が知内を7対2で下し、
悲願である夏の甲子園初出場を決めた。
彼らの先輩たちは、明治神宮大会で優勝し、4年前の選抜大会でも1勝を挙げている。
今夏の甲子園でも良い試合をしてほしいものだ。
一方、敗れた知内の坂本投手は泣いていたが、
決勝戦までの活躍には拍手を贈りたい。
ぜひプロになって、この悔しさを晴らしてほしいと祈るばかりである。